更新日: 2023.08.30 働き方

社会人2年目が一番「緩む」時期?残業しないで「固定残業代だけはしっかりもらう」なんてあり?

社会人2年目が一番「緩む」時期?残業しないで「固定残業代だけはしっかりもらう」なんてあり?
社会人も2年目になると慣れてくるもので、気が緩みはじめ、固定残業代をうまくもらうために残業を減らそうと試行錯誤する方もいるようです。残業をせずとも固定残業代だけもらうというのは、現実的に可能なのか、考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

固定残業代の法的性質について

固定残業代とは、毎月一定時間分の残業代が定額で支払われる手当です。固定残業代は、求人票などには「固定残業代として、20時間分の残業代4万円を支給」といったような形で記載されています。
 
原則として、固定残業代は実際の残業時間に関わらず支給されます。そのため、毎月20時間分の固定残業代が支給されている場合は、実際の月の残業時間が5時間であっても、20時間分が丸々支給されます。
 
ただし、実際の残業時間が固定残業代の算定時間を超えている場合、雇用主は追加で超過分を支給しなければならないとされています。例えば、毎月の固定残業代が20時間分に当たる4万円であるところ、25時間分の残業をした月には、1万円分の残業代が追加支給されます。
 

固定残業代だけもらって残業しないことは可能?

結論から述べると、「固定残業代はもらうが、残業はしない」ということは可能です。固定残業代は実際の残業時間に関わらず支給されるのが原則であるため、毎日定時退社であっても問題なく満額支給されます。
 
また固定残業代は、「受け取るのであれば、必ずその時間分は残業しなければならない」と強制できるものでもありません。固定残業代を受け取りつつ定時退社することも可能です。
 
ただし、業務上残業が必要であるにもかかわらず残業をしない場合、会社から残業命令が出ることもあります。それに従わず、正当な理由なく残業を拒否し定時退社を繰り返した場合、会社から戒告など何らかの処分を下される可能性もあります。
残業をしないで固定残業代は受け取るのであれば、残業せずとも問題ないくらいに業務をきちんとこなすことが大前提です。
 

社会人2年目でモチベーションを保つには?

社会人2年目で気が緩んできたときは、1年目に立てた目標を思い出してみてください。「固定残業代は欲しいが残業はしたくない」と考えている原因のひとつには、おそらく、モチベーションの低下があるでしょう。
 
1年目のときは「月収60万円を目指す」「部内で売り上げ1位を目指して、社内で評価される」など、多くの方が何らかの目標を立てていたはずです。それを思い出し、現状のまま進んでいて目標を達成することが可能なのか考えてみてください。初心に帰ることで、モチベーションがよみがえってくることもあります。
 
また、仕事に慣れてきて気が緩み「残業しなくてもいいか」という気持ちになっている場合、何か自分にできる新しいことはないか、上司に相談してみましょう。
 
そうすることで、自身のスキルアップとともに、社内での評価向上も狙うことができます。身に付けたスキルは昇進や転職においても武器にもなるため、仕事に積極的に取り組むことは、今お金を得るだけでなく将来への備えにもつながります。
 

まとめ

固定残業代は、基本的に残業の有無にかかわらず、毎月支払われるものです。残業しないで固定残業代をしっかり満額もらうということも、法律上は可能です。しかし、仕事があるのに残業を拒否しつづけていると、会社から注意や処分を受けるおそれもあるので、仕事には真剣に向き合うべきです。
 
社会人も2年目となり気が緩んできたのであれば、その原因を自分で探ってみて、モチベーションが高まるよう上司に相談する、入社当初の気持ちを思い出すなど、気が引き締まるような工夫をしてみてください。
そうすることで、いずれ固定残業代を効率よくもらうことよりも、自分にとって必要な何かが見つかるかもしれません。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集