更新日: 2023.08.26 働き方
若いときとは何が違う?60代からの「働き方」その目的と重視したいこととは
株式会社リクルートの調査機関ジョブズリサーチセンターは、全国の55~74歳の男女を対象に「シニア層の就業実態・意識調査2023(個人編)」を実施しました。その結果、シニア世代の働く目的は、必ずしも経済面を重要視しているとは限らないことが判明しました。
そこで今回は上記調査をもとに、シニア世代の仕事事情をまとめました。年を重ねるごとに、若い頃と比べてどのような価値観の変化があらわれるのかを見てみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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70~79歳まで働きたい人が6~7割
株式会社リクルートの調査での、「何歳まで働きたいか」の問いに対して最も多かったのは「70~74歳」の34.6%でした。次いで「75~79歳(30.4%)」、「65~69歳(21.0%)」との結果となり、70~79歳まで働きたいと考えている人の割合は約6割以上いることが分かります。
また、希望する職種に対しての回答(その他を除く)は、「販売・サービス(25.4%)」が最も多く、「事務(22.7%)」「理美容・医療(7.9%)」と続きます。なお、雇用形態では、アルバイト・パートを希望している人が約6割に及ぶ結果となりました。
仕事をしたい理由は、経済面だけではない
「仕事をしたい理由」に対しての回答は、以下の結果となりました。
1位:生計の維持のため(41.9%)
2位:健康維持のため(38.0%)
3位:自由に使えるお金(小遣い)の確保のため(34.7%)
4位:社会とのつながりを得るため(32.5%)
5位:家計を補助するため(31.5%)
経済面での理由も多く見られますが、ほかには、健康維持や社会とのつながりを求めて仕事をしたいと考えている人も見られました。
なお、20歳以上を対象とした内閣府の世論調査によると、働く目的で最も多かったのは「お金を得るために働く」で63.3%。次いで「社会の一員として、務めを果たすために働く(11.0%)」「自分の才能や能力を発揮するために働く(6.7%)」との結果でした。
年齢によって、働く目的に違いがあることが分かります。
今後の仕事で重視したいことの1位は「勤務時間」
株式会社リクルートの調査で、「今後の仕事で重視すること」に対しての回答は、以下の結果となりました。
1位:勤務時間(55.2%)
2位:勤務日数(51.0%)
3位:勤務地(49.4%)
4位:通勤時間(47.9%)
5位:賃金・給与(45.4%)
結果を見ると、金銭面を重視するよりも、勤務時間や勤務地などに重きを置いている人が多いことが分かります。
ほかにも、「仕事内容が体力的に見合うかどうか」を心配する人や、「自分の経験が生かせるかどうか」などの価値観を重視する人も見られました。
年代によって、働く目的や重視すべき内容は異なる結果に
今回の調査結果から、生計維持などの経済的な事情と同じくらい、健康維持のために働きたいと考えているシニア世代が多いことが特徴として明らかとなりました。さらに、約7割の人が70~79歳まで働きたいと答えており、定年後も長く働きたいと考えている人が多いことが分かりました。
働く目的や重視すべき内容などの価値観は、経験や年齢とともに変化していくのでしょう。
給与のことを考えず、社会貢献や健康維持などの目的を優先して、自分のやりたい仕事に就くのであれば、今から貯金をして金銭的にゆとりを持つことが大切かもしれません。
出典
株式会社リクルート ジョブリサーチセンター 【基本報告書】シニア層の就業実態・意識調査2023― 個人編 60~74歳 ―
内閣府 世論調査 国民生活に関する世論調査(令和4年10月調査)(2)働く目的は何か
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー