更新日: 2023.08.23 その他家計

エアコンの風量は「弱」より「自動」が良い? エアコンの間違った使い方5選

エアコンの風量は「弱」より「自動」が良い? エアコンの間違った使い方5選
今年も猛暑が続き、エアコンなしで生活するのは困難な状況です。エアコンは消費電力が多く、少しでも電気代を安くするためにさまざまな工夫をしている人も多いのではないでしょうか。
 
しかし、それらの工夫はひょっとしたら誤ったものかもしれません。本記事では、ダイキン工業株式会社が実施した「エアコンの節電に関する実態調査」を参考に、よくある間違ったエアコンの使い方と、正しい使い方について解説します。

執筆者:嘉陽宗一郎()

間違った使い方その1・風量を弱にする

エアコンの風量を強くすると、それだけ電気代がかかってしまいそうなイメージがあります。しかし、エアコンにかかる電気代の多くは室内の温度を設定温度まで下げるために使われており、風量の強弱はあまり関係がありません。
 
むしろ、風量を弱にしていると室内温度を下げるのに時間がかかります。そうなると、エアコンにとって負荷のかかる空気を冷ます作業がより長く行われることになり、かえって電気代がかかってしまうことになります。
 
風量は自動にしておくと、設定温度までは風量を強くして最短時間で冷やしてくれ、その後は風量を落としてくれるため消費電力も下がります。エアコンの風量は自動に設定しておきましょう。
 

間違った使い方その2・常に電源をこまめに切る

エアコンを稼働すると電気代がかかることから、「こまめに電源を切れば省エネになるのでは?」と考える人もいるでしょう。しかし前述したように、エアコンで消費する電力の多くは、室内を設定温度まで下げることに使われています。つまり、室内温度と設定温度の温度差が大きければ電気代がかかり、小さければ電気代はそれほどかかりません。
 
夜間など屋外と室内の温度差が小さい場合であれば、こまめに電源を切ったほうが節電になる場合もありますが、温度差が大きい日中などでは余計に電力を消費することもあります。そのため、条件によっては短時間であれば、エアコンはつけっぱなしにして室温が上がらないようにしたほうが節電になります。
 
具体的には日中の場合、約30分までの外出であれば、電源は入れっぱなしのほうがよいとされています。それ以上部屋を離れる際は電源を切るようにしましょう。
 

間違った使い方その3・風向きを下向きにする

風向きを下向きにしたほうが、冷たい空気がよく当たり、効率よく冷ますことができて節電になるという誤解もあります。しかし、冷たい空気は下にたまる性質があるため、風向きを下向きにすると上部の空気がなかなか冷えません。
 
上部の空気が冷えないと、天井近くに設置されているエアコンは設定温度に達していないと判断して、いつまでも部屋を冷やし続けるため、かえって電気代がかかることになります。風向きは下向きではなく上向きか水平にして、扇風機やサーキュレーターなどを活用して室内の空気をかき混ぜるようにすることが大切です。
 

間違った使い方その4・室外機全体に覆いをつける

室外機に直射日光が当たり、室外機の温度が高くなるとエアコンの電気代も高くなってしまいます。そのため、室外機に直射日光が当たらないよう室外機カバーを設置することは、節電に有効です。しかし、室外機全体を覆うようなカバーをつけて、室外機の排気口まで覆ってしまうのは逆効果です。
 
室外機は、室内機から送られてきた熱をファンの風に乗せて排出しています。そのため、空気の通り道を確保して熱を効率的に逃がすことが重要です。室外機にカバーをつける場合は、吸込口や吹出口をふさがないようにしましょう。
 

間違った使い方その5・常に除湿を使う

冷房よりも除湿のほうが節電になるというのもよくある誤解です。特に、エアコンに搭載されている除湿には「弱冷房除湿」「再熱除湿」「ハイブリッド除湿」の3種類があり、弱冷房除湿は文字通り弱めの冷房のため節電になりそうな気がします。
 
しかし、除湿はあくまで湿度を下げるためのものです。温度・湿度・設定温度などによって電気代は異なるため、どちらが安いとは一概にいえませんが、室温を下げるのが目的であれば冷房を使いましょう。
 

まとめ

エアコンの正しい使い方をもう1度おさらいしておきましょう。
 

●風量は弱ではなく自動に
●使わない時間が30分未満なら電源は入れっぱなしのほうがお得
●風向きは下向きではなく上向きか水平に
●室外機にカバーをする場合は空気の通り道をふさがない
●室内の温度を下げたいときは除湿ではなく冷房を

 
エアコンを節電したいのであれば、正しく使うことが大切です。正しく使って節電につなげていきましょう。
 

出典

ダイキン工業株式会社 エアコンの節電に関する実態調査を実施「エアコンの節電方法を誤解している人が約6割」

 
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士

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