更新日: 2023.08.03 働き方
たばこ休憩は「労働時間」になる? その是非を考える
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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たばこ休憩とは?
企業や職場の環境によっては、喫煙者が一時的に離席をする、たばこ休憩と呼ばれる行為を許容していることもあります。
しかし、喫煙者ではない社員にとっては、まったく関係ない休憩です。喫煙者は、離席をしている間は仕事をしていないことになり、一部の人にだけ休憩を許している状況は、職場の不公平感を生み出す原因ともなりえます。
たばこ休憩は労働時間に含まれる?
労働時間についての基本的な知識を確認したうえで、たばこ休憩が労働時間に含まれるかどうかを、具体例を交えて考えていきましょう。
労働時間の基本的な考え方
基本的な労働時間の考え方について、改めて確認してみましょう。労働時間とは、雇用されている労働者が、雇用者の指揮・命令のもとで働いている時間のことです。さらに労働時間は、3種類に分けられます。
所定労働時間は、雇用契約書や就業規則で決められている勤務時間のことです。始業から終業までの時間から、休憩の時間を差し引いて算出します。
実労働時間は、労働者が雇用者の指示によって、実際に働いた時間のことです。勤務状況によっては所定労働時間を超えて、時間外労働などになります。
実労働時間と休憩時間を合計した時間が、拘束時間と呼ばれています。休憩時間は、労働基準法によって、労働時間が6時間から8時間の場合は最低45分、8時間を超えると、最低1時間と決められています。
休憩時間とは、労働をしている人が、労働から離れることができる時間です。
手待ち時間とは?
業務内容によっては、一見仕事をしていないような状態でも、電話や来客があると、電話を取るとか、接客をするといった対応を求められることがあります。
この場合は、完全に労働から離れることができません。この状態は、待機をしているとみなされ、手待ち時間と呼ばれ、労働時間に含まれます。また、仕事場の準備や片付け、勉強会や研修に参加することも労働時間となり、賃金が支払われます。
たばこ休憩は手待ち時間となる?
たばこのために離席をする、いわばたばこ休憩は、状況によっては手待ち時間とされ、労働時間に含まれるケースもあります。
職場のすぐ近くで喫煙していて、業務が発生すると対応できる状況にあったため、労働から離れているとはいえない、とみなされた例があります。
しかし、職場から離れた場所、例えば屋外などで、たばこ休憩をするために持ち場を離れていて、必要な業務が発生しても、すぐに労働に戻れない状況にある場合には、労働から離れている休憩時間とみなされたケースもあります。
離席時間は、判例によると、10分ほどが目安とされています。この場合は、労働時間に含まれません。
労働時間とみなされない場合
状況によっては、労働時間とみなされるケースもありますが、非喫煙者にとっては不必要な休憩のため、不公平だと感じる部分も多いでしょう。常識と思われる範囲内での休憩が、望ましいといえます。
たばこ休憩の名のもとで、勤務中に高い頻度で離席したり、喫煙のために長時間労働から離れたりすることは、好ましいことではありません。場合によっては、安全配慮義務や職務専念義務に反しているとみなされて、指導対象となりえます。
職場の状況にもよりますが、雇用をしている側は、非喫煙者の不公平感をなくすために、それぞれの立場をくみ取り、協議をして、妥協ポイントを探ることが大切です。
たばこ休憩は常識の範囲で行おう
たばこ休憩は、職場の環境や状況によっては、労働時間とみなされる場合もあれば、休憩時間となることもあります。喫煙者はモラルを守って、休憩を取りましょう。また、非喫煙者と不公平にならないように、協議を行って、妥協点を見つけましょう。
出典
厚生労働省
休憩時間を分割する場合どのようなことに注意が必要でしょうか。
労働基準法に関するQ&A 労働時間・休憩・休日関係
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー