更新日: 2023.07.24 働き方

【扶養の壁】「働き損なければ」7割超の女性が勤務時間の「増」を希望?

【扶養の壁】「働き損なければ」7割超の女性が勤務時間の「増」を希望?
日本には税や社会保障にかかわる制度により、働き方にさまざまな「壁」が存在しています。この壁を超えると「働き損」となってしまう可能性があるため注意が必要です。一方で、この壁がなければ労働時間を増やしたいと考える女性は少なくないようです。人手不足が叫ばれるなか、女性の労働力は非常に重要です。
 
今回は、扶養の壁などに触れながら、女性の労働に対する意識や意欲についても紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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働きすぎると損をする理由とは

まずは、日本における働き方の「壁」について概要を把握しておきましょう。これにはさまざまな種類が存在し、それぞれ「扶養の壁」や「税金の壁」などと呼ばれています。
 
具体的な年収金額をあてはめ「103万円の壁」や「130万円の壁」などとも呼ばれ、それらをまとめて「年収の壁」とも表現されます。これらの壁を越えると、つまり、働きすぎると手取りが減ってしまう可能性があることから、「働き損」の制度といわれるケースも少なくありません。
 
特に、結婚していてパートで働く女性などにとっては、扶養の壁を意識して勤務時間を調整する人が多いのです。それは、働きすぎて扶養から外れると社会保険料を支払わなければならず、手取りが減少してしまうためです。
 

さらに多くの労働時間を希望する女性は7割以上

覆面調査モニターサイト「ミステリーショッピングリサーチ」の運営元である株式会社MS&Consultingは、「年収の壁や就業意向に関する調査」を行いました。配偶者がおり、かつパートタイムで働く1000人以上の女性を対象とした調査です。
 
この調査で、就業調整をしている女性に「一定の年収額を超えても手取りが減らなくなったら、現在よりも勤務時間を増やしたいか」という趣旨の質問をしました。結果、「とてもそう思う」と回答した人の割合が50.9%、「まあそう思う」と回答した人も24.1%となっています。
 
実に75%もの女性が、「手取りが減らないのであれば、より勤務時間を増やしたい」と考えていることがわかります。パートタイマーの就業調整は年収の壁を意識して行われているケースが多いため、ある程度想定のできる結果ともいえるでしょう。現在よりも多く働き、収入を増やしたいと考える女性が多数派であることは確かなようです。
 
「手取りが減らないのであれば、より勤務時間を増やしたい」と回答した女性に、1カ月あたりに増やしたい勤務時間を尋ねました。回答をまとめた結果、増やしたい勤務時間は月平均で43.9時間となっています。
 
100時間以上増やしたいと回答した人も一定数おり、平均を引き上げたと考えられますが、中央値が30時間となっているため、多くの女性は月に30時間程度勤務時間を増やしたいと考えているといえるでしょう。
 

壁に対するさまざまな意見とは

同調査では、さまざまな女性が多くの意見を述べています。「時給の増額により扶養内で抑えるために勤務時間を減らさざるを得ず、早めの法改正を希望している」といった意見を述べた女性もいました。最低賃金の改定は、すべての人にとってメリットがあるわけではないようです。
 
「物価の上昇への対応のために勤務時間を増やしたいのに、今以上働けないのはストレスだ」という意見もあります。「働く意欲と能力のある人にとって不利な制度だ」という意見もありました。労働力の確保や物価上昇への対策などを考慮すると、扶養の壁について真剣に検討しなければならない時期にさしかかっているといえるでしょう。
 

より長時間働いて年収を増やしたい意欲を持つ女性は多数派

「扶養の壁」と呼ばれるような制度がなくなり働き損が解消されるのであれば、より長く働き年収を増やしたいと考える女性は多いようです。人手不足を解消し女性の社会進出を推進するためにも、年収の壁については見直す余地があるでしょう。アンケート調査では、月平均で100時間以上勤務時間を増やしたいと回答した人もいます。そのような女性の意欲を削がないような制度の構築が求められます。
 

出典

株式会社MS&Consulting 年収の壁や就業意向に関する調査

株式会社リクルート 【2022年10月社会保険制度改正】扶養の壁はどう変わる?パートタイムの働き方は? ~30-40代の「お金」と「働く」

しゅふJOB.navi 【税理士監修】壁は103万・130万だけじゃない!主婦が損しない収入はいくらまで?扶養内・税金の壁の違いを徹底解説

PR TIMES 7割の女性が「年収の壁なければ、勤務時間を増やしたい」と回答

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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