更新日: 2023.07.24 貯金

40歳で「年収400万円」です。将来年金を受け取るまでに毎月いくら貯めておけば良いでしょうか?

40歳で「年収400万円」です。将来年金を受け取るまでに毎月いくら貯めておけば良いでしょうか?
定年退職後にお金に困らないためにいくら貯蓄をしておくべきか、よく分からないという人も多いのではないでしょうか。
 
本記事では、日本の平均的な年収に近い年収400万円の会社員と専業主婦(夫)の世帯が、年金をもらうまでにどれくらい貯蓄をしておけばよいのか、解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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年収の平均額は443万円

国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均年収は443万円です。年齢別の平均年収を見ると、59歳までは基本的には年齢が上がるにつれて上昇し、35~39歳では449万円、40~44歳では480万円、45~49歳では504万円です。
 
40歳で年収400万円は、平均年収で見ると同世代の中では少ないほうに見えます。ただし、平均年収は特に収入の大きい人に影響を受けやすいです。見方を変えて年収の構成比でみると、全体の53.6%が年収400万円以下です。そのため、年収が400万円というのは決して他の人と比べて少ないとは言えないでしょう。
 

年収400万円の人が受け取る年金額と生活費

給与所得者の中でも真ん中くらいである、年収400万円が生涯の平均年収の場合、将来年金はいくら受け取れるのでしょうか。給与所得者は老齢基礎年金と老齢厚生年金を、そして給与所得者に扶養される専業主婦(夫)は老齢基礎年金を受け取れます。
 
老齢基礎年金は夫婦ともにしっかりと保険料を支払うべき期間負担していたとすると、年間で79万5000円が受給金額です。そのため、夫婦2人分では159万円です。
 
老齢厚生年金の大半を占める報酬比例部分について見ていきます。報酬比例部分は「平均標準報酬額×5.481÷1000×加入した月数」で計算されますが、年収が400万円の平均標準報酬額は32万円です。20~60歳まで給与所得者として勤務し、その間のトータルの平均年収が400万円だった場合、老齢厚生年金の報酬比例部分は84万1882円です。
 
夫婦2人分の老齢基礎年金と合わせると、243万1882円、月額にすると20万2657円受け取れます。
 
一方、総務省の「家計調査報告 家計収支編2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯の支出は、平均で26万8508円です。
 
つまり、生涯の平均年収が400万円の会社員と専業主婦(夫)世帯は、必要な支出の26万8508円と、年金の20万2657円の差額である6万5851円が毎月赤字です。その赤字は、働いて穴埋めしない限りは、それまでに貯蓄をしておく必要があります。
 

平均寿命まで生きた場合は毎月6万円5000円の貯蓄が必要

年金は基本的には65歳から生涯受け取れます。65歳までは働きながら生活費をカバーしていたとして、以後、働かずに生活費を充足するには、平均的な年収の会社員と専業主婦(夫)の世帯では、毎月6万5851円不足してしまいます。
 
仮に、85歳まで生きたと仮定すると、20年間分で1580万4240円をあらかじめ貯蓄として準備する必要があります。現実的に、40歳からそれだけの金額を貯蓄するには、毎月どの程度貯蓄が必要なのでしょうか。
 
仮に、現時点で貯蓄がゼロ、定年が60歳でその後は65歳まで再雇用とします。再雇用では収入は下がる場合が多いので、60歳までの20年間で1580万4240円を貯蓄するとします。その場合、単純に老後に不足する毎月6万5851円を、現役時代に貯蓄しなければなりません。
 
年収が400万円といっても、これは額面なので、実際はそこから税金や社会保険料が引かれ、手元に残るお金は300万円程度です。月額にすると約25万円なので、そこから約25%程度の金額が貯蓄に回される計算です。
 
子どもの有無や生活の仕方によって貯蓄に回せる金額は変わりますが、手元に残る25万円から、4分の1に当たる6万5000円を毎月貯蓄するのはかなり厳しいという人が多いのではないでしょうか。
 

まとめ

年収400万円は日本人の平均的な年収です。65歳以降も年金と貯蓄で過ごす場合、毎月6万円以上の貯蓄が必要です。
 
とはいえ、実際は長生きすればもっと必要なお金は増えるし、子どもの進学や趣味へのお金の使い方、貯蓄期間における大きな支出、家庭によっては老後に必要なお金や、現役時代に貯蓄できる環境は異なります。
 
一方、今回は触れていませんが退職金も人によってはかなり期待できるはずです。まずは将来の支出と、もらえる年金額や退職金をシミュレーションし、不足しそうな金額を算出するとともに、毎月無理なく貯蓄できる金額を見極めていきましょう。
 

出典

国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査
総務省 家計調査報告〔家計収支編〕 2022年(令和4年)平均結果の概要
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 ○令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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