更新日: 2023.07.24 働き方

毎月の残業は「40時間」です。固定残業代は「4万円」ですが妥当でしょうか? 少ない場合は請求できますか?

毎月の残業は「40時間」です。固定残業代は「4万円」ですが妥当でしょうか? 少ない場合は請求できますか?
人によっては、毎月の残業代が固定で支払われている場合もあるかもしれません。いわゆる「固定残業代」ですが、固定残業の場合、いくら働いても残業代は増えないのでしょうか?
本記事では、毎月の残業代が40時間の場合に固定残業代が4万円だと妥当なのか、解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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そもそも「残業代」とは?

残業代は各事業者の所定労働時間を超えて労働をした場合に支払われる賃金です。時間外手当や残業手当とも呼ばれています。そして、法律で定められている法定労働時間を超えて働いた場合は割増賃金が支払われます。
 
法定労働時間は1日8時間、週40時間までです。この法定労働時間を超えて労働を超えた労働は時間外労働となり、25%の割増率で残業代が支払われます。また、時間外労働が1ヶ月で60時間を超えた場合の割増率は50%です。4月から中小企業でも月に60時間を超えて時間外労働をすると50%の割増率で残業代が支払われることになりました。
 

固定残業代の注意点

基本的に残業代は時間外労働や休日出勤などに応じて支払われますが、一定時間分の残業代を毎月定額で支払う方法もあります。これが固定残業代です。
 
固定残業代の注意点としては「募集要項や求人票に固定残業代が給与に含まれているにもかかわらず、固定残業代が書かれていない場合があること」や「正確な残業代が分かりにくいこと」などがあげられます。特に、固定残業代が支払われていることを理由にいくら働いても残業代が支払われないトラブルもあるので、固定残業代が妥当なのかを確認することは大切です。
 

毎月の残業が40時間の場合、固定残業代が4万円は妥当?

固定残業代が支払われている場合でも、固定残業代を労働時間で割った際に最低賃金以下になると労働基準法違反となります。この場合は固定残業代を超えた時間外労働の時間分の賃金を請求することが可能です。
 
毎月40時間の時間外労働をしている場合、固定残業代が4万円だと1時間あたりの残業代は1000円となります。最低賃金は地域によって異なり、東京都を例に出すと最低賃金は1時間あたり1072円です。
 
そのため、東京都に事業所がある場合は最低賃金を下回っているので労働基準法違反になります。また、40時間の時間外労働は25%の割増率なので1072円が時給であれば、最低でも1340円が残業代になるはずです。この場合は、固定残業代とは別に差額分を請求できます。
 
東京ではなく埼玉に事業所がある場合は最低賃金が987円なので、本事例では最低賃金以上に固定残業代が設定できているように見えます。しかし、時間外労働の場合は25%の割増になるので1時間あたり1233円(小数点以下切り捨て)が最低限の残業代です。そのため、こちらの場合も最低賃金未満になるので労働基準法違反になります。固定残業代の4万円とは別に足りていない金額を請求可能です。
 

まずは固定残業代の金額と残業時間を確認しましょう

毎月の残業代が40時間の場合、固定残業代が4万円だと最低賃金未満となる可能性が高いです。そのため、妥当な金額とは言えません。本事例の場合は最低賃金未満の地域だと固定残業代とは別に足りない残業代を請求できます。
 
固定残業代が妥当な金額なのかを知るためには、固定残業代の金額と毎月の残業時間を確認することが大切です。正しい賃金を請求できるように確認してみましょう。
 

出典

厚生労働省 しっかりマスター 労働基準法

厚生労働省 固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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