更新日: 2023.07.24 貯金
「手取り19万」で「白金高輪」に住もうと思っています。無謀ですか?月にいくら貯金できますか?
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
白金高輪の家賃相場は11万円から12万円程度
白金高輪は都内でも有数の高級住宅街として有名です。それゆえ家賃相場も非常に高額です。参考までに不動産情報サイト「at home」にて検索してみると、ワンルームから1kの家賃相場は年間を通じて11万円から12万5000円の間で推移しているようです(2023年7月12日現在)。
ワンルームや1kの家賃相場が10万円を超えることから、その人気っぷりがうかがい知れます。地域によっては、庭と駐車場付きの一軒家を借りてもお釣りがくるような金額です。白金高輪に住もうと思ったら、高額な家賃を負担するだけの経済力を有する必要がありそうです。
手取り19万円で白金高輪に住むのは無謀
家賃相場から考えると、手取り19万円で白金高輪に住むのは無謀だといえます。仮に家賃11万円として、手元に残るのは8万円。この金額で家賃以外のすべての支出を賄っていくことは現実的ではありません。
総務省の家計調査によれば、単身者の毎月の平均消費支出は16万1753円(うち住居費は2万3300円)です。収入がまだそう高くなっていないであろう34歳以下に絞ってみても、15万8198円(うち住居費は3万6676円)です。
つまり、手取り19万円で白金高輪に住むということは、一般的な単身者の生活と比べて、家賃以外についてはかなり節制した生活になるということです。おそらく、欲しいと思ったものは生活必需品でない限りほぼすべて我慢する生活になると考えられ、生活必需品であっても安価な部類のものを選んで購入していくことになるはずです。
運よく相場より安い穴場の物件を見つけ、節制に節制を重ねて何とか生活していくことができたとしても、まとまった貯金は困難なことが予想されます。
それどころか、病気やけが、家具家電の故障など突発的な支出に対応することができない、まさにギリギリの生活を送ることが想定されます。統計上の生活費を参考に考えると、現実的に手取り19万円で白金高輪に住むことは無謀と言えます。
なぜ白金高輪に住むことにこだわるのか
白金高輪に限らず、東京都内やその近隣の県には魅力的な街がいくつもあります。その中で白金高輪に住まなければならない理由について考えてみましょう。
相談者の場合、職場が近いからという理由でした。もし、職場が近いからという理由の場合でも、やはり白金高輪以外の街を選択するべきです。通勤時間は短い方がいいといわれることもありますが、それも家賃の支払いが現実的に可能な範囲での話です。
職場の近くに住む場合でも、基本的には手取りの25%や30%など現実的に支払い可能な範囲で居住地を決めるべきです。
なお、中にはステータス目的で高級住宅街である白金高輪に住みたいという方もいらっしゃるでしょう。そういう場合は、まずは収入を上げてから白金高輪への引っ越しを考えましょう。見栄を張って居住地だけにお金をかけてその他の面でひもじい思いをしていては元も子もありません。
白金高輪に住むなら10万円以上の家賃を払えるようになってから!
家賃相場が10万円を軽く超えるような地域である白金高輪に、手取り19万円で住むのは無謀といわれても反論できません。生活ができたとしても、余裕があるとは言い難く、まとまった金額の貯金も難しそうです。白金高輪に住みたい理由にはさまざまなものがあるでしょうが、それよりも優先すべきは生活の安定です。
白金高輪に住みたいと思ったら、収入を上げ、10万円以上の家賃を無理なく払えるだけの経済的余裕を持ってから住むことをおすすめします。
出典
at home 白金高輪駅の家賃相場から賃貸を探す
e-Stat 家計調査 家計収支編 単身世帯 2022年
執筆者:柘植輝
行政書士