更新日: 2023.07.10 働き方
育休明けにフルタイムで8時間以上働くのはムリ!収入面を考えると時短勤務よりパートの方がいいでしょうか?
短時間勤務制度は、原則として、3歳未満の子を養育する人が受けられる制度です。
子育てとの両立を望む人にとっては、有益なサポート制度に感じますが、「給料が減るのでは?」「時短勤務とパートのどちらにしよう……」と、悩む人もいるかもしれません。
そこで今回は、短時間勤務制度における労働時間の決まりや、時短勤務とパートタイム勤務(以下パート)の違いなどをまとめました。実際に、フルタイム勤務と時短勤務(看護師として)を経験した、筆者の体験談も併せてお伝えします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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フルタイム勤務と時短勤務での労働時間や収入の違い
正社員のフルタイム勤務での労働時間上限は、労働基準法に基づき、原則、一日8時間(週40時間)です。これを超える場合は、法定時間外労働といい、残業扱いとなります。
一方で、短時間勤務制度を利用した時短勤務では、原則、一日6時間までの労働時間と定められています。労働時間が短くなる分、フルタイム勤務者と比較して、育児などに費やす時間を増やせるため、仕事と育児の両立が目指せるでしょう。
しかし、時短勤務にすることで、収入が減ってしまうことは避けられません。時短勤務者の給与設定は、会社によって異なりますが、労働時間が少なくなる分、基本給が安くなるケースが多いといわれています。
ほかにも、対応できる仕事が限られたり、残業手当がつかなかったりすることも、収入減少の理由となります。
実際に私も、育児休業ののちは時短勤務として働きましたが、「夜勤に入らず日勤のみ」「勤務時間が延びても残業代がつかない」などの理由から、給与は、フルタイム勤務の頃と比較して、3分の2まで減りました。
時短勤務とパートタイムではどちらの給与が高い?
子どもがまだ小さいうちは、保育園の送迎や生活環境によって、フルタイムで働くことが難しいという状況も珍しくありません。
その場合、時短勤務とパートのどちらにするかで、悩む人もいらっしゃるでしょう。そこで、表1に、時短勤務とパートの勤務形態の違いをまとめました。
表1
時短勤務 | パートタイム | |
---|---|---|
雇用形態 | 正規雇用 | 非正規雇用 |
雇用期間 | 無期雇用契約 | 有期雇用契約 |
給与 | 月給制 | 時給・日給制 |
※筆者作成
会社によって、就業規則が異なるために、一概にはいい切れませんが、大きくは、正社員か否かの違いであることが分かります。
収入面に関しては、以下の違いがありました。
●時短勤務:1384円
※厚生労働省の「令和3年 賃金構造基本統計調査 結果の概況」 短時間労働者を参照
●パートタイム:1189円
※株式会社マイナビ マイナビキャリアリサーチLab 「2023年3月度 アルバイト・パート平均時給レポート」を参照
会社によって、給与には差がありますが、上記の結果からは、時短勤務のほうが、平均時給が高いことが分かります。
育児休業後は自分に合った働き方を選択しよう
子育てをしながら働くことは、簡単なことではありません。
仕事に復帰するにあたり、何を優先したいのか、どのような環境で、仕事と子育ての両立を図るのかなどによって、適した働き方は変わります。
フルタイム勤務・時短勤務・パートタイムの、それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った、無理のない働き方を選択しましょう。
出典
厚生労働省 よくある質問 「勤務時間の上限は法律で決まっていますか。」
厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」
厚生労働省「令和3年 賃金構造基本統計調査 結果の概況」 短時間労働者
株式会社マイナビ マイナビキャリアリサーチLab 「2023年3月度 アルバイト・パート平均時給レポート」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー