更新日: 2023.06.30 働き方

事務員ですが「トイレの回数が多いし休憩が長い」と評価が下がりました。不当ではないのですか?

事務員ですが「トイレの回数が多いし休憩が長い」と評価が下がりました。不当ではないのですか?
座っての作業が多い職場で働いていると、トイレ休憩と同時に体を動かしてリフレッシュしたくなるものですが、上司や同僚の目が気になって、じゅうぶんな休憩時間を取りにくいと感じたことはありませんか? 本記事では、トイレ休憩で社員の勤務態度を判断することが不当なのかどうか、労働衛生の点から考えてみます。

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FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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休憩を取らせることは企業の責務

パソコン・タブレットなどといった情報機器を使用する事務員の業務は、厚生労働省が「情報機器作業における労働衛生管理 のためのガイドライン」を公表しています。
 
1日に4時間以上、情報機器作業を行う人を対象としたこのガイドラインでは、作業者が「心身の負担が少なく作業を行う」ことができるよう、休憩頻度などについて、以下のように定めています。
 

●1日の中で過度に長時間にわたり作業が行われないよう指導すること
●一連続作業時間は1時間を超えないこと
●一連続作業時間の中で1~2回の小休止を設けること
●次の連続作業までに10~15分の休憩を挟むこと

 
つまり、作業者は1時間の中で2回は席を立つことが許され、さらに1時間ごとに10~15分、休憩を取って良いことになっているのです。仮に小休止を3分とすると、1時間作業のあとで15分のまとまった休憩を取る場合、図表1の通り実際には合計で21分間、休んでよいということになります。
 
図表1
 

 
筆者作成
 
仮に4時間作業を行うとすれば、取れる休憩時間は以下のとおりです。
 

●小休止3分×8回=24分
●休憩15分×3回=45分

 
つまり合計で1時間9分、休めることになります。
 
社員数50人以上の企業ならば必ず1人以上、労働衛生管理者を在籍させ、こうした時間の管理を徹底しなければなりません。
 
同ガイドラインによって定められている職種は、事務所において行われる情報機器作業です。主な作業内容を以下にあげます。
 

●コールセンターでの相談対応(その対応録をパソコンに入力)
●モニターによる監視、点検、保守
●データの入力、検索、照合
●文章、画像等の作成、編集、修正など
●プログラミング
●コンピューター利用設計システム(CAD)作業
●伝票整理
●テープ起こし(音声の文書化作業)

 
これらの作業をしている人なら、休憩を取ることに人の目を気にする必要はないというわけです。
 

「勤務態度」というあいまいな評価基準

それでは、トイレ休憩が長いというだけの理由で評価が下がった場合はどうすればよいのでしょうか。
 
勤務態度の評価方法は会社によってまちまちですが、一般的には、仕事の質、能力、スピードなどを含めた総合的な判断です。判断基準はあいまいになることがあり、「休憩が長いかどうか」という要素が入り込む可能性も否定はできません。
 
とはいえ先述の通り、従業員には適切な休息を取る権利があります。規定以上に長く休憩を取っていた、あるいは他に理由がなく評価を下げられたと場合には、会社側に理由をしっかり確認することが大切です。
 

健康を守りながら働こう

パソコン作業やタブレット作業は、目・肩腰の疲労を引き起こしますが、慢性的な目の疲れ・肩こり・腰痛で労災補償を得ることは難しく、症状を予防しておきたいところです。休憩を取るのは労働者の権利です。健康に働き続け、長い目で上司の信頼を得るためにも、作業の合間の適度なリフレッシュを心がけましょう。
 

出典

厚生労働省 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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