更新日: 2023.06.28 その他家計
医薬品が数倍も安く買える? 個人輸入のメリットと利用の注意点
医薬品を個人輸入すると、安く医薬品を購入できるなどのメリットがありますが、注意するべき点も存在します。こちらの記事では、個人輸入できる医薬品の種類や個人輸入するメリット、注意するべき点などを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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医薬品の個人輸入の概要
個人輸入できる医薬品等は、下記の商品に限定されます(※1)。
・標準サイズで1品目24個以内の外用剤
・用法用量から見て1ヶ月分以内の毒薬、劇薬または処方箋薬
・用法用量から見て2ヶ月分以内の上記以外の医薬品・医薬部外品
・標準サイズで1品目24個以内の化粧品
・用法・用量・使用方法から見て1ヶ月分以内の再生医療等製品
以下で、医薬品の個人輸入が認められている理由やメリットなどを解説していきます。
医薬品の個人輸入が認められている理由
医薬品の個人輸入が認められている理由は、厚生労働省が「外国で受けた薬物治療を継続する必要がある場合や、海外からの旅行者が常備薬として携行する場合などへの配慮」を行っているためです(※2)。
つまり、個人が必要な治療を行うための便宜として、個人輸入を認めているのです。そのため、医薬品を個人輸入できるのは自分自身で使用する場合に限られています。個人輸入した医薬品の転売や譲渡は認められていません。
また、自己判断で使用すると重大な健康被害を生じるおそれがある医薬品に関しても、数量に関係なく医師による処方が確認できない限りは個人輸入できません。
医薬品を個人輸入するメリット
医薬品を個人輸入するメリットは下記の通りです。
・通院することなく医薬品を入手できる
・プライバシーが守れる
・安く購入できる
医薬品を海外から輸入すれば、医療機関に通うことなく医薬品を入手できます。通院する手間を省くことができ、医師や看護師に個人情報を話す必要もないため、心理的に安心できるメリットが期待できます。
また、海外では日本で流通していないジェネリック医薬品が販売されているケースがあり、個人輸入すれば国内で購入するよりも金銭的負担を抑えることが可能です。
医薬品を個人輸入するデメリット・リスク
株式会社Actuallyの調査によると、個人輸入された医薬品で最も多かったのはピル(低用量ピル・アフターピル)でした(※3)。次いで多かったのは、スキンケアやデンタル関連商品となっています。
産婦人科へ通院する心理的なハードルが高いことや、海外製のスキンケアやデンタル関連商品は安く購入できることが背景と言えるでしょう。
しかし、医薬品を個人輸入する場合、デメリットやリスクも存在します。特に、海外の医薬品は日本国内で販売されている医薬品よりも、保健衛生上のリスクが高い点には注意しましょう。
・日本国内で流通している医薬品、化粧品や医療機器などと異なり、法令に基づく安全性の確認がなされている保証がない
・品質等の確認が行われていない医薬品等は、期待する効果が得られなかったり、人体に有害な物質が含まれている場合がある
・健康食品、ダイエット食品に関しても、医薬品成分が含まれていて健康被害を引き起こすことがある
・不衛生な場所や方法で製造された可能性がある
・虚偽または誇大な効能・効果、安全性などを標ぼうして販売等されている可能性がある
医薬品を個人輸入する際の注意点
海外の医薬品は、全てが安全が保障された商品という訳ではありません。医薬品を個人輸入する際には、メリットとデメリット・リスクを鑑みて購入するか判断することが大切です。
購入するべきか判断に迷う場合は、自分ひとりで判断せず家族や医師、薬剤師に相談しましょう。
まとめ
一定の条件を満たした海外の医薬品を個人輸入することは可能です。
通院することなく安く医薬品を入手できるメリットがある一方で、薬効に疑義があるケースや健康上の被害をもたらすリスクがある点には十分留意しましょう。医薬品の個人輸入に関して疑問や不安がある場合は、家族・医師・薬剤師などに相談することが大切です。
出典
(※1)厚生労働省 医薬品等の個人輸入について
(※2)厚生労働省 医薬品等の個人輸入に関するQ&A
(※3)株式会社Actually 医薬品の個人輸入サイト、41%がネガティブな印象を抱く
(※4)厚生労働省 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー