更新日: 2023.06.06 その他家計

「マンションの修繕積立金」が当初の「3倍」に値上がり!? 支払えないとどうなる?

「マンションの修繕積立金」が当初の「3倍」に値上がり!? 支払えないとどうなる?
マンションを購入した場合、毎月の支払いとして、住宅ローンの返済だけではなく管理費や修繕積立金も必要です。物価の高騰が続く昨今、「マンションの修繕積立金も値上がりした」という人は多いのではないでしょうか。中には、新築で入ったときの金額から数倍になったケースもあります。
 
本記事では、修繕積立金が支払えなくなった場合、どのような対応を受けるのかについて解説します。

執筆者:八木友之()

修繕積立金とは

修繕積立金とは、マンションの修繕を行うために積み立てられるお金のことをいい、そのマンションを所有している人が毎月指定された金額を支払います。マンションの修繕には大きなお金が必要になるため、マンションの所有者が長い年数をかけてためていくのです。
 
国土交通省の調査によると、修繕積立金の平均は2018年度で1万1243円となっています。そして、図表1の1999年から19年間の推移によると、修繕積立金は着実に増加していることが分かります。
 
マンション価格は2013年頃から上昇傾向にあることを考慮すると、修繕積立金も2018年度から現在まででさらに上昇していることが予想されます。
 
図表1
 

 
国土交通省 平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状
 

修繕積立金は新築時には安く設定されている場合がある

修繕積立金の金額は、マンションの新築分譲時には安く設定されている場合があります。なぜなら「安いほうが売れるから」です。
 
マンションの購入を検討する人は、住宅ローンの返済額と管理費、修繕積立金を合わせた月々の支払い額を大きな判断材料にします。そのため、「修繕積立金は購入時だけ安くし、その後は値上げをしていく」のは販売戦法の1つなのです。
 

修繕積立金が支払えなくなった場合の流れ

例えば、マンションを購入した当初の修繕積立金は月5000円でしたが、10年後には3倍の1万5000円まで値上がりしたとします。月の支出が1万円も増えてしまうと、毎月ギリギリで生活している人であれば支払えないという事態も起こるでしょう。では、修繕積立金を滞納するとどうなるのか、以下がその流れです。
 

●管理会社からの電話や書面、訪問による督促
●管理会社からの内容証明郵便での督促
●財産の差し押さえや競売などの法的措置

 
修繕積立金の滞納であっても甘く見てはいけません。督促されても支払わない状況が続くと、最悪の場合にはマンションを立ち退く事態になってしまいます。
 

修繕積立金が支払えないときの対処方法

修繕積立金が支払えないからといって、督促を無視して滞納し続けるのは避けるべき行為です。ある日突然、競売にかけられるという展開を覚悟しなければなりません。絶対にやめましょう。修繕積立金が支払えないときは、まず以下の方法で対処してください。
 

・管理会社や理事会に相談

支払いの意思があることを伝えたうえで、分割払いなど柔軟な対応を受けられるように相談しましょう。ただし、決して支払い金額が減るわけではない点に注意してください。
 

・任意売却の検討

修繕積立金の値上げに対応できないという状況は、家計の支払いに無理がある可能性が高いといえます。マンションの任意売却を検討し、住宅にかかる費用の軽減を検討しましょう。
 

まとめ

修繕積立金を滞納すると、最悪の場合マンションを立ち退く事態になる可能性があります。支払えない場合には、督促が来る前に管理会社や理事会に相談しましょう。督促を無視する行為は厳禁です。
 

出典

国土交通省 平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状

 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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