更新日: 2023.06.01 貯金
50代の会社員。「10年で1000万円貯める」のは可能? どんな方法がある?
本記事では、10年で1000万円貯めるにはどのような方法があるかについて、解説します。
執筆者:中村将士(なかむら まさし)
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。
10年で1000万円を貯めるには1ヶ月8万3000円強を貯める必要がある
10年で1000万円を貯めるには、単純計算で、1年で100万円、1ヶ月で8万3000円強を貯める必要があります。1ヶ月で8万3000円強を貯めることができるのであれば、預貯金をしておくだけで、10年で1000万円貯まります。
反対に、1ヶ月で8万3000円強を貯めることが難しい場合、預貯金以外の方法を採ることを考えなければなりません。簡単にいえば、投資をすることを検討した方が良いということです。
投資を検討する
投資というと、ギャンブルのようなイメージを持たれるかもしれませんが、そうではありません。投資とは、本来、「リターンを求めてリスクを負う」または「リスクを負ってリターンを得る」ことを意味します。
投資において、「リスク」とは不確実性のことをいい、「リターン」とはその見返りのことをいいます。リスクとリターンの関係は、比例の関係にあります。つまり、リスクが大きければリターンは大きく、リスクが小さければリターンは小さくなります。
この関係を理解しておけば、投資に対して必要以上に怖がる必要はありません。目標金額が貯まる程度の、必要最低限のリスクを背負えば良いのです。投資で失敗するのは、リターンを求めすぎるあまり、不必要なリスクを背負ってしまう場合がほとんどです。もちろん、リスクを背負う限り失敗する可能性を排除することはできませんが、その大きさをコントロールすることは可能なのです。
複利運用しながら積み立てる
今回のように「何年でいくら貯める」といった場合、複利運用しながら積み立てていく方法を検討するのがよいでしょう。複利運用とは、運用で得た利益を再投資し、さらに利益を得るという運用方法です。
また、「利率(年率)何%で複利運用しながら、何年後にいくら貯めたい」といった目標があった場合、減債基金係数という係数を用いて計算を行うことで、「毎年の積立額(いくら積み立てていったら良いか)」を算出することができます。なお、減債基金係数は、期間、金額、利率により算出されます。
今回の場合でいえば、「10年後に1000万円貯めたい」という目標があり、これに「利率1%」「利率2%」といった運用利率を仮定します。すると、減債基金係数が決まりますので、これらを用いて計算をします。
例えば、利率1%で複利運用しながら積み立てていくとすると、減債基金係数は0.0956となり、必要な積立額(年額)は、以下のように算出します。
1000万円×0.0956=95万6000円
また、利率2%で複利運用した場合の必要な積立額(年額)を算出すると、以下のようになります。
1000万円×0.0913=91万3000円
このように、複利運用しながら積み立てていった場合、単純に積み立てていった場合に比べ、必要な積立額が少ないことが分かります。
まとめ
本記事では、10年で1000万円貯めることについて、解説をしました。本記事で紹介した方法は、以下のとおりです。
(1)積立貯金をする
(2)複利運用しながら積み立てる
積立貯金をする場合、毎年100万円(毎月8万3000円強)の貯金が必要です。一方、複利運用しながら積み立てる場合、利率1%の場合は毎年95万6000円(毎月8万円弱)、利率2%の場合は毎年91万3000円(毎月7万6000円強)の積み立てが必要になります。
もちろん、複利運用するからにはリスクを負うことを忘れてはいけません。つまり、計算上、有利に見えたとしても、必ずしも目標金額に到達するとは限らないということです。利率を上げて計算すれば、当然その分だけ必要資金は少なくて済みますが、うまくいかない可能性も高くなります。
特に、準備期間が短いほど、損失が出たときの埋め合わせが難しくなります。リスクを負うのであれば、ご自身がどの程度のリスクを負えるのかを確認しておくことも大切です。
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー