更新日: 2024.10.07 ライフプラン
結婚しないで一人で生きていく「おひとりさま」を選ぶなら、考えておきたいライフプラン
おひとりさまは、収入に対して自由に使えるお金の割合が多く、お金があればあるだけ使ってしまうという人もいるでしょう。普段は自由な生活を満喫しているかと思いますが、将来のお金については不安になることもあるかもしれません。
おひとりさまは、いったいどのようにしてライフプランを考えていけばいいのでしょうか。
Text:藤嶋英臣(ふじしまひでおみ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
平成29年度 日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」(大阪)相談員
996年大阪大学経済学部卒業。二度の転職ののち、過労による体調不良から40歳で退職。ファミリーに比べておひとりさま(単身者)のライフプランに関する情報が少ないことを不安に思い、FPを志す。FPの上級資格であるCFP(R)の試験を1年あまりで突破し、2015年大阪市に「はやぶさFP事務所」を開設。
自らも単身者であることから、同じ立場で思い悩む方への手助けとなるべく活動中。また、ライターとして各種士業・Webメディア向けに文章コンテンツを多数提供。
1973年生まれ、奈良県出身。
ライフプランを考えるには現状把握から
「老後には何千万円必要」と、メディアが取り上げる金額は諸説紛々です。
しかし、老後にいくらあれば安心できるかは、「あなたが今どのような暮らしをしていて」、「今後どういった暮らしをしたいか」によって大きく変わってきます。
「将来のお金のことが不安」だという人は、実は具体的に何が不安なのかわかっていないことが多いものです。ライフプランを考えることで不安の正体を明らかにし、これから何ができるかを考えましょう。
まずは、あなたの家計の状況を整理して、現状を把握してみましょう。月々、何にいくら使っているか、貯金がいくらあるかを確認してみます。
支出をコントロールしているつもりでも、使途不明金が多くて思うようにお金が貯まっていないといったケースもあります。家計を見つめ直すことで、不安を解消するための対策を考えられるようになります。
参考までに、おひとりさまが月々平均どれぐらいのお金を使っているかを示した統計をご紹介します。
総務省が2017年に実施した家計調査では、35歳~59歳の単身世帯の月々の消費支出(税金・社会保険料以外の支出)の平均値は約19万円でした。地域、職業、暮らしぶりなどによって支出の額は大きく変わりますが、一つの目安にされるとよいでしょう。
参考資料:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)―平成29年(2017年)平均速報結果の概要―」
5年後にどういった暮らしをしていたいですか?
今、自分がどのような暮らしをしているかを確認したら、今後どういった暮らしをしていきたいかを考えてみましょう。
おひとりさまは、現状で結婚や育児の見通しがついていない場合、ライフプランがあいまいになりがちです。
そこで、まずは5年後にどういった暮らしをしていたいかを考えてみてはいかがでしょうか。あまり先のことを考えようとするとイメージがしづらく、そこで考えることをやめてしまう人もいます。
「一人暮らしをしてみたい、引っ越しをしたい、転職したい、毎年海外旅行に行きたい、趣味に没頭したい…」
どんな小さなことでも、妄想のレベルの話でもかまいません。5年後にどういった暮らしをしていたいか、そのためのお金は準備できそうかということを考えてみます。
現状の支出をもとに、この先の暮らしで支出がどれぐらい変わるかを予測します。その工程を積み上げていくことで、老後に必要なお金が大体イメージできるようになります。年金の支給額や、ケガ・病気、仕事の変化など、予測ができないこともあるでしょう。
しかし、一度数字に書き出してみることで、不安の正体が見え、これから何ができるかを前向きに考えることができます。
おひとりさまもライフプランを考えてみましょう
ライフプランの考え方については、ファミリー世帯を中心にして語られがちですが、おひとりさまでもライフプランを考える必要があります。
しかし、おひとりさまのライフプランについてはまだまだ情報量が少なく、他の人がどうしているのかも見えにくい部分があります。そのせいもあり、おひとりさまは現状や将来を見つめることをついつい先送りしてしまいがちです。
老後のお金に対する漠然とした不安を和らげるには、一度「あなたが今どのような暮らしをして」、「今後どういった暮らしをしたいか」を考えてみることをおすすめします。
Text:藤嶋英臣(ふじしまひでおみ)
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
平成29年度 日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」(大阪)相談員