更新日: 2023.04.28 家計の見直し
新年度がスタート 大きな門出に確認したいお金の収支
転勤に伴う転居など、大きな変化の際は何かと出費が増えがちです。赤字家計とならないためにはどうしたら良いのか、今回は、新年度からお金を上手に管理するコツを紹介します。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
4月の収支、確認したいポイント
まず確認しておきたい大切なポイントは、家計の状況を正確に把握するということです。就職や転勤、転職などで環境が大きく変わった場合、収入や毎月使うお金も変化していると思われます。
今の家計をしっかり把握することで、無駄遣いを減らすことが可能です。家計を把握する際には、以下の3つをチェックしてみましょう。
・手取り収入はいくらか
・1ヶ月の出費はいくらか
・1ヶ月の貯金はいくらか
まず、収入の額が変わった方は、正確な手取り金額をチェックしてみましょう。
収入とともに納めるべき税金や社会保険料も増加し、「額面上の金額が増えたけど、手取りの金額にはあまり変化がなかった」というケースもあるかもしれません。収入は増えたはずだからと、支出も増やしてしまうと危険です。正確な手取り金額を把握しておきましょう。
次に、1ヶ月の出費をチェックしましょう。家賃や食費、娯楽費など費目に分けて確認すると、無駄遣いしているところも見えてきます。環境が変わって出費が増えてしまったという方は、何にお金を使っているのか調べてみましょう。
最後に、1ヶ月の間で貯金できた金額をチェックします。収入が増えたはずなのに貯金が増えていない人は要注意です。
収入が増えた分だけ毎月の貯金額も増やせるように、毎月のマネープランを見直す必要があります。
お金が貯まる仕組みづくりをしよう
この4月で思うように貯金ができていなかった人は、お金が貯まる仕組みづくりを行うことが大切です。新年度からきちんとマネープランを立てておくことが、今後貯金できるかどうかの大きなポイントになります。
お金が貯まる仕組みづくりとしては、「先取り貯金」を行うのがおすすめです。給与が振り込まれた段階で貯金分を別口座に移し、そのお金はないものとして1ヶ月生活をしてみましょう。
お金がある程度貯まってきたら、積立投資を始めるのもおすすめです。時には損をしてしまうこともありますが、長期的に分散投資を行えば、ゆっくりと資産を増やせる可能性があります。
例えば、市場と同じような値動きをする「インデックス投資信託」は手数料が安く、商品の仕組みも分かりやすいため、投資初心者にもおすすめです。目安として、毎月の生活費3ヶ月分くらいの貯金ができたら、コツコツと積立投資にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
半年~1年ごとに定期チェック
毎月先取り貯金を行っていれば、半年~1年たったころには、しっかりとお金が貯まっているはずです。予定どおり貯金ができているか、また、今後先取り貯金の金額をさらに増やすことはできないか、定期的に確認してみましょう。
また、積立投資を行っている人は、直近半年~1年ほどの運用成績をチェックしてみましょう。ただし、万が一値段が下がって損をしていても、慌てて売る必要はありません。
インデックス投資信託などでコツコツとお金を増やす長期投資を行っている場合は、今後、市場の相場によって回復する可能性が十分にあります。定期的なチェックを行いながら、じっくりと運用成績を見守っていきましょう。
まとめ
4月は変化の時期です。就職や転勤、転職などで忙しい日々を送っている人もいるかもしれませんが、お金の管理を軽視してはいけません。
最初にお金が貯まる仕組みづくりさえしてしまえば、あとは自然と貯金ができて安心ですね。今回ご紹介した内容を参考に、気持ちよい新年度をスタートさせましょう。
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者