更新日: 2023.04.27 家計の見直し

家計簿の目的を「つける(書く)」から「つかう(活用する)」に変更しよう

家計簿の目的を「つける(書く)」から「つかう(活用する)」に変更しよう
多くの人から「家計簿をつけるのは面倒」という声を聞きます。
 
今はスマホ等で簡単に家計簿をつけることはできますが、その家計簿の利用方法まで考える人は少ないです。そこで、今回は家計簿を「つかう」方法を見ていきましょう。
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

家計簿の必要性は?

そもそも、家計簿をつける必要があるか疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。その回答は、「永遠につけ続ける必要はない」です。家計簿の目的は「つける」こと自体ではなく、「つけた家計簿」から現状を分析し、今後の生活でお金のやりくりをスムーズにさせることにあります。
 
そのため、家計簿をつけて満足するのではなく、そこから分析し、自分に合った節約術や貯蓄術を考えるのが、本来の家計簿の役目です。その必要がある人は、家計簿が必要だということになります。
 

家計簿の簡単なつけ方は?

家計簿の歴史は古く、日本人には昔からなじみの深いものです。昔は、1枚1枚レシートの金額を書き写し、集計し、日々書き続けるものでした。
 
ところが今は、スマホ等でレシートを写真撮影するだけで、家計簿が完成する時代です。昔に比べると簡単になったのは言うまでもなく、家計を管理することへの抵抗は少なくなっています。
 
しかし、写真を撮るのも面倒だという人もいるでしょう。そういう人は、通帳を活用しましょう。毎月の月末残高を銀行ごとに記入し、すべての通帳の残高を合計した金額の動きを管理します。残高が前月に比べてプラスであれば、まずはお金の管理はできていると考えてよいでしょう。
 
たとえマイナスであっても、その理由(今月は旅行に行った、今月は電化製品を購入した等)が分かっていれば、問題はありません。理由が分からないようであれば、もう少し細かく管理する必要があるので、専門家に相談するのも1つの選択肢です。
 

アプリなども含めて通常の家計簿をつけている人の節約術と貯蓄術

支出の項目(食費・日用品・交際費等)ごとに集計して、いわゆる通常の「家計簿」をつけている人にチェックしてほしい節約術のポイントは3つです。


(1)「その他」という支出項目を限りなく0円に近づける
(2)それぞれの項目ごとに前月と比べ、理由もなく増減をしていないかを確認する
(3)(2)で理由なく増減した項目について、翌月がどのようになるかを再確認する

また、貯蓄術のポイントは、予算額を決めることです。項目ごとに集計ができていることを利用して、その項目ごとに翌月の予算額を決めます。その予算額は、当月の結果を受けて、当月より少し少なめに予算額を決めます。
 
予算なので、実際にはオーバーしても構わない、取りあえずやってみよう、という気持ちで予算額を決めてみてください。節約術と貯蓄術を繰り返すことで、少しずつお金への意識が変わり、家計管理がスムーズにできるようになります。
 

家計簿ではなく、通帳の残高管理だけで家計を管理している人の節約術と貯蓄術

通帳の残高管理を使っての節約術と貯蓄術は、シンプルです。当月残高から前月残高をマイナスすると、当月に「使った金額」になります。その「使った金額」を毎月同じにする、または減らすを繰り返すことが、ポイントとなります。
 
その使った金額の中には、貯蓄している金額や投資をしている金額も含まれているかもしれません。可能であれば、それらの金額を差し引いた後の金額を「使った金額」として、その動きを管理してください。
 
もちろん生活していくうえで「臨時出費」は必ずあります。なので、その費用があることを忘れないようにしましょう。
 
金額については人それぞれ異なるので一概には言えませんが、年間で10万円ほど、見ておきましょう。
 

家計簿の目的を「つける(書く)」から「つかう(活用する)」に変更しましょう

家計簿をつけるかつけないかは人それぞれなので、それぞれの考え方で問題はありません。
 
しかし、家計を管理することは、多くの人が必要でしょう。特に人生のターニングポイントでは、お金との付き合い方を考え直す人が多く、その際に家計簿は大いに役立ちます。
 
家計簿を敬遠している人も、まずは通帳の残高管理から始め、その内容をもっと知りたくなったら家計簿アプリ等を使って簡単に家計管理を始めてみてください。便利な家計簿やアプリについて、実際に使っている人から聞くのも1つの方法です。
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

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