更新日: 2023.04.10 働き方
月給20万で「65時間」残業すると残業代はいくら? 出ない場合もあるって本当?
本記事では、65時間残業した場合の残業代や、残業代が出ない場合について、はシミュレーションをしながら解説します。ぜひ、自身の環境と比較して参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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65時間残業したら残業代はいくら?
今回は以下の条件のもとで働いているとします。65時間残業していますが、これは平日の勤務日に1日あたり平均3時間残業を行い続け、深夜や休日に労働はしていないとします。
・月給:20万円
・始業/終業時間:9時/18時
・労働時間:8時間(1ヶ月あたり160時間)
・休憩時間:1時間
・勤務日:月曜日から金曜日
・休日:土日祝日(完全週休2日制)
残業代は基本的に「1時間あたりの賃金額×残業時間×残業の種類に応じた割増賃金率」で計算されます。パートやアルバイト、派遣社員等と異なり正社員は月給制が多いため「1時間あたりの賃金額」を求める必要があります。
「1時間あたりの賃金額」は「月給÷1ヶ月あたりの所定労働時間」で計算することができます。今回の場合は1250円です。今回の残業時間は65時間で60時間を超えています。そのため60時間を超える5時間分については割増賃金率が50%となります。
60時間超の割増賃金率50%は、いままでは大企業のみ適用されていましたが、2023年4月1日から中小企業も月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられました。
これらを当てはめると残業代は「1250円×(60時間×1.25+5時間×1.5)=10万3125円」です。月給とあわせると30万3125円支給される計算になります。
残業代が出ないこともあるの?
法定労働時間を超えると基本的に残業代が別途支給されますが、残業しても残業代が出ないケースもあります。
例えば、あらかじめ給料の中に固定の残業代が含まれている場合です。仮に「月収25万円(時間外労働65時間分を含む)」といった契約になっていると、65時間分まではあらかじめ給料に含まれているので残業代は別途発生しません。
65時間を超えて70時間や80時間などになると残業代が追加で支給されます。
勤務先の勤務形態がどうなっているか確認する方法
労働基準法32条では「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。」と規定されています。もし1日10時間などと定められている場合は法定労働時間を超えているため、別途「36協定」などがしっかり締結されている必要があります。
固定残業制だけでなく変形労働時間やフレックスタイム制など、さまざまな勤務形態があるので「1日8時間を超えていたら直ちに違法」というわけではありません。ただし雇用契約書や就業規則に「残業の扱い」について規定があるはずなので、自分の勤務先がどのような仕組みになっているのか確認してみましょう。
就業規則をどこで確認すればいいか分からない場合は人事や総務関係の部署の担当者に問い合わせると教えてくれます。
まとめ
今回は給料20万円で65時間残業した場合、残業代はいくら出るのか、出ない可能性もあるのか解説しました。
雇用契約や就業規則は従業員が企業で働くうえで欠かせないものです。自分の働き方に直接影響を与えるものなので、残業の有無等にかかわらずぜひ一度確認してみてください。
出典
厚生労働省 委託事業「労働条件相談ほっとライン」パンフレット
厚生労働省 割増賃金率の改正
厚生労働省 労働時間・休日
厚生労働省 労働基準法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部