更新日: 2023.04.04 その他家計
「電気代」の値上がり理由って? 原因や安くする方法を解説!
本記事では、なぜ電気料金が高騰しているのか、その理由と今後の電気料金の見通しについて解説します。また、電気代を安くする方法についても、あわせて解説します。
執筆者:石井麻理子()
電気料金が値上がりしている原因
電気料金値上がりの大きな要因としては、主に3つあります。
1つ目の要因は、エネルギー燃料の価格上昇です。ここでいうエネルギー燃料とは、石炭や液化天然ガス(LNG)、石油などです。エネルギー燃料は、社会情勢によって価格が大きく変動するのが特徴で、さまざまな世界情勢の影響から今日のエネルギー価格が上昇しています。
2つ目の要因が、円安です。図表1からもわかるように、日本は2021年時点でエネルギー燃料の依存率が約83.2%に上昇しています。自給率が低く輸入に頼るしかない状況のため、円安がエネルギー燃料の輸入コストにさらなる追い打ちをかけているのが現状です。
図表1
経済産業省 資源エネルギー庁 「総合エネルギー統計」の2019年度確報値
3つ目は、大手電力会社(10社のうち7社)が政府に料金の値上げ申請をしたことです。東京電力によると、2023年6月1日より家庭の電気料金が、平均で29.31%ほど値上がりするとの発表がありました。4月に入り値上げ率は圧縮の方向となりましたが、今後電気代が高くなることが想定されます。
エネルギー燃料が高騰している原因
エネルギー燃料の価格が高騰している主な原因として考えられるのは、以下の2つです。
・戦争(長期化)による天然ガスの需要増加
・新型コロナウイルスから経済活動の再開に伴った石油価格の上昇
補足ですが、ウクライナ侵攻を行ったロシアへの制裁として天然ガスの輸入を止め、他国から液化天然ガス(LNG)の調達が国際的に始まったことが、国際的に天然ガスの需要を高めています。世界的なエネルギー危機が、私たちの電気料金に反映されているといえるでしょう。
電気代を安くする対策
電気代を安くする一番の対策は、普段の生活の中で節電を心がけ消費電力を減らすことでしょう。しかし、節電以外にも電気代を安くする方法が実はあります。以下では、節電以外の方法で電気代を安くする対策を考えていきます。
プランの見直しを行う
現在加入中の電気会社で、プランの見直しをすることがおすすめです。各電力会社のホームページ上では、電気料金のシミュレーションとして簡易試算ができることが多いので、今のプランが適切かどうかを確認してみましょう。世帯人数が減った場合などには、契約アンペアの変更も検討してみましょう。契約アンペアを落とすことで、基本料金を安くできます。
新電力への切り替えを検討
2016年に電力自由化となり、消費者が電力会社を自由に選べるようになりました。電気料金の比較サイトを利用すれば、簡単に電気料金のシミュレーションが可能です。
新電力に切り替えることで、毎月の電気代を安くできる可能性がありますので、参考にしましょう。ただし、現在お住まいの地域やご家庭の契約内容によっては高くなる可能性もある点には注意が必要です。
リフォームをする
今日、ZEH住宅が話題を集めています。ZEH(ゼッチ)とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略語で、夏は涼しく冬は暖かい省エネ性能が備わった住宅のことです。ZEH住宅にする場合、補助金や住宅ローン控除の優遇を受けられます。
まとめ
上記の要因などから、電気料金は今後も値上がりすることが想定されます。電気料金がもとの水準にもどるには、ある程度の時間がかかると考える必要もあるでしょう。少しでも家計における電気料金の負担を減らすためにも、自分にあった節約方法を検討してみましょう。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 2021−日本が抱えているエネルギー問題(前編)
東京電力エナジーパートナー 燃料費高騰等に伴う電気料金見直しによる影響額の試算(簡易試算)
環境省 戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業(経済産業省・国土交通省連携事業)
東京電力 規制料金値上げ申請等について
執筆者:鳥谷威
1級ファイナンシャル・プランニング技能士