更新日: 2023.03.21 その他家計
「1円でもガソリン代を安く!」は損? どれくらい遠いガソリンスタンドまで行ってもOK?
しかし、安く給油するために遠くのガソリンスタンドまで車を走らせた場合、移動距離分のガソリンを消費します。給油するガソリン代が安かったとしても、給油するまでの場所が遠いと、節約効果が薄れる可能性もあります。「ガソリン代は節約したいけど、どれくらい遠いガソリンスタンドまで行ってもいいのか気になる」という人も多いかもしれません。
そこで本記事では、ガソリン代とガソリンスタンドまでの距離から試算し、どのくらいの節約効果があるか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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試算の条件
以下の条件でさまざまなシチュエーションについて試算します。
●ガソリン単価 160円/リットル(2023年3月全国平均価格)
● 燃費 22.0キロメートル/リットル
● 走行平均速度 35.1キロメートル/時
●1分あたりの移動距離 0.59キロメートル
●1分あたりのガソリン代 4.3円
各単価別のガソリン代の差額
車の種類にもよりますが、燃料タンクの容量は25リットル~40リットルが一般的です。仮にガソリンを満タンにするために30リットル入れたとしましょう。ガソリン単価160円/リットルを基準とした場合、差額は図表1のようになります。
図表1
筆者作成
例えばガソリン単価160円/リットルと150円/リットルを比較した場合、1回30リットルの給油で300円安くなることが分かります。
移動距離別のガソリン代
安く給油するために、少し離れたガソリンスタンドに行くと、そこまで移動するガソリン代がかかります。給油したガソリン代の差額よりも、移動するためのガソリン代の方が高ければ、節約効果はありませんよね。
では一体どれくらいの距離とガソリン単価であれば、節約効果があるのでしょうか。ガソリンスタンドまでの所要時間別で往復のガソリン代を試算した結果が図表2となります。なお、ここでは「普段利用する近所のガソリンスタンド」を基準(所要時間0分)としています。
図表2
筆者作成
3円/リットル安いガソリンを給油するなら片道10分まで
片道10分の移動距離であれば、ガソリン代は往復で86円かかります。図表1によると3円/リットル安いガソリンスタンドで30リットル給油すると、基準値よりも90円安く給油できるので、4円の節約になります。
5円/リットル安いガソリンを給油するなら片道15分まで
片道15分の移動距離であれば、ガソリン代は往復で130円かかります。図表1によると5円/リットル安いガソリンスタンドで30リットル給油すると、基準値よりも150円安く給油できるので、20円の節約になります。
10円/リットル安いガソリンを給油するなら片道30分まで
片道30分の移動距離であれば、ガソリン代は往復で258円かかります。図表1によると10円/リットル安いガソリンスタンドで30リットル給油すると、基準値よりも300円安く給油できるので、42円の節約になります。
考えるべきは節約効果と労力のバランス
今回の試算の結果はあくまで大まかな目安です。車種、道路の混雑状況、燃費、ガソリン価格の差額、ガソリンスタンドまでの距離によって計算結果は大きく変わってきます。
節約のために遠くのガソリンスタンドまで行くべきかどうかは、節約できる金額と労力のバランスで決めましょう。遠くのガソリンスタンドに行くことで金銭面で節約できたとしても、時間や労力が奪われてしまいます。
「運転が大好き」「時間に余裕がある」という人であれば、遠くのガソリンスタンドまで車を走らせるのも悪くない選択肢かもしれません。節約効果とそれにかかる労力、この2つを考慮して上手な選択ができるようになりたいですね。
出典
e燃費 ガソリン価格 都道府県平均
国土交通省 自動車燃費一覧(令和2年3月)
国土交通省 平成27年度全国道路・街路交通情勢調査
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部