更新日: 2023.03.16 働き方

「街の法律家」行政書士って司法書士と何が違うの? どっちの方が高年収?

「街の法律家」行政書士って司法書士と何が違うの? どっちの方が高年収?
行政書士と司法書士は、街の法律家としてさまざまな資格ランキングで人気上位に挙がっている職業です。両者はどのような職業で、どのような違いがあるのでしょうか。行政書士と司法書士の違いについて、仕事内容や収入面、試験の難易度といった側面から比較してみます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

行政書士と司法書士の仕事内容は?

まずは、行政書士と司法書士の仕事内容を比較してみましょう。行政書士はその名のとおり、官公庁に提出する書類など主に行政に関係する書類の作成や提出代行をします。
 
建設業に関する許可やリサイクルショップを経営するための古物商許可、飲食店の経営に必要な営業許可など各種許認可の申請に関する書類や、外国人が入国管理局で在留資格の取得や更新を行う際の書類の作成や代理などがよくある業務の例です。
 
それに対して司法書士は、主に法務局に提出する書類の作成と提出代行をする職業です。
 
身近な例でいえば、不動産を購入した際に法務局で行う登記や、会社の設立や変更が生じた際に法務局で行う登記の代理といった仕事があります。一部の認定司法書士は、簡易裁判所で訴訟の代理人となったり書状を作成したりといった裁判に関する仕事も行っています。
 
イメージとしては、総務省が大本の管轄となるような幅広い書類の作成が行政書士、法務局や裁判所など法務省が管轄となるような専門性の高い分野が司法書士といった具合です。
 
また、どちらも街の法律家として、内容証明郵便の作成や遺言書などの契約書の作成、相続に関する業務といった、法的トラブルの予防や解決に向けた業務を行うこともあります。
 

行政書士と司法書士、それぞれの試験の難易度は?

行政書士も司法書士も学歴要件はなく、試験に合格すれば誰でもなることができます。ただし、どちらも合格するためにはそれなりの努力を要します。特に司法書士は難易度が高く、令和4年度においては合格率がおよそ5%と非常に狭き門となっています。
 
行政書士についても、国家資格であり一定以上の難易度を有しているため、世間的に見れば十分難しい試験です。どちらを目指すにせよ、腰を据えてしっかりと勉強をする必要があります。
 

行政書士と司法書士はどちらが高年収?

行政書士と司法書士、どちらの年収が高いのかは、一概に比較するのは難しいというのが実情です。両者とも独立が可能な士業であり、専門分野も幅広くあります。独立した場合の本人の営業力や、専門として取り扱う分野によって、収入は大きく変わります。
 
明確な統計があるわけではありませんが、独立している先生方を見ると、行政書士よりも司法書士の方が全体的に収入が高いように見受けられます。参考までに正社員の求人の平均年収で比較すると、2023年2月の時点で行政書士の平均年収が402万円、司法書士が447万円と、司法書士の年収の方がやや高くなっています。
 

行政書士と司法書士、なるならどっちがおすすめ?


 
行政書士と司法書士、目指すならどちらがおすすめかといわれれば、「仕事内容に興味を持てる方」です。建設業許可や古物商許可など許認可に興味があれば行政書士を、不動産登記や会社の登記に興味があれば司法書士といったイメージです。
 
それほどこだわりがなければ、行政書士を目指すとよいでしょう。一方で、高難易度の試験に合格したという実績や、少しでも安定して高い収入を得られるようにしたいのであれば、司法書士を目指すとよいでしょう。
 

行政書士と司法書士は似ているようでさまざまな点で違いがあります

街の法律家といわれる行政書士と司法書士は名前こそ似ており、一部業務にも共通点があるものの、細かな部分を含めるとさまざまな点で違いがあります。行政書士と司法書士についての違いを知っておくことで、この職業を目指す方にとっても、そうでない方にとっても、街の法律家という存在がより身近なものとなることでしょう。
 

出典

求人ボックス 行政書士の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)

求人ボックス 司法書士の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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