更新日: 2023.03.09 家計の見直し
注目が集まる光熱費、高騰時の対策を考えよう
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
まずは電気料金のプランを確認
「電気代が10万円を超えた」と聞いても、あまり自分事とは思えないのではないでしょうか。「確かに値上がりはしているけれど、わが家はオール電化ではないし、問題ない」と考えている方もいらっしゃると思います。
では、実際の光熱費がどの程度なのかを示したのが図表1です。
【図表1】
光熱費は季節による変動が大きいですが、表の金額を見るとイメージはつかめると思います。
先日筆者のもとに、契約している電力会社から「電気料金および特典内容の見直しについて」というメールが届きました。電力会社で実施の日程は異なりますが、多くの地域で4~6月頃をめどに電気料金の値上がりが予定されていますので、このような通知を受け取った方は少なくないと思います。
2016年に電力の小売が全面自由化され、さまざまな企業が電力分野に参入しました。消費者はそれまでは地域の電力会社の一択でしたが、自由化されたことで好きな電力会社を選べるようになりました。
ガス会社や携帯電話会社などは、セットにすることで割引やポイントが付与されるプランを打ち出したところもあります。料金や特典だけでなく再生エネルギーの比率の高い電力会社なども登場し、エネルギーに対する意識が高まった記憶があります。
「乗り変えませんか? ポイントが付きますよ」と勧誘されて、電力会社を変えた方もいらっしゃったのではないでしょうか。あれから約7年がたちました。値上がりを機に、ご自身のプランを確認することをお勧めします。
加入中のプラン、今のライフスタイルに合っている?
コロナ前後で生活様式は一変しました。緩和されたとはいえ、以前よりも在宅時間が増えたという方もいることでしょう。外食の機会が減り自炊することが習慣化した方のなかには、1人用の調理器具をいくつか新調したという単身者もいらっしゃると思います。
生活様式の変化が電気代におよぼす影響は大きいです。例えば、共働き夫婦で昼間はほとんど家にいない場合は、夜間の使用が中心のプランを選んでいるというケースもあります。
例えば東京電力の場合、電気をよく使う時間帯や家族の人数によって、3つのプランが用意されています。さらに「オール電化向け」「太陽光発電と併用向け」「水力発電100%」などのプランもあります。加入中の電力会社の中でも、アンペア数やプランを変更することで料金を安くできる可能性があります。
ご自身または家庭のライフスタイルにあった電力会社のプランを比較・検討をしましょう。
侮れないウォームビズやクールビズの効果
2月24日に政府が電気料金の抑制策について言及したことにより、何らかの策が講じられることが期待されますが、日頃の節約に越したことはありません。
経済産業省は「省エネポータルサイト」(※2)を開設しています。例えば、冬の暖房に関する節約について、「毎日設定温度を1℃下げる」あるいは「毎日使用時間を1時間短縮する」と、ひと冬でどのくらいの節約効果が見込めるのかを示しています。
【図表2】
さらに、節約術として
(1) 暖かい空気を循環させるために、扇風機を併用する
(2) 湿度が低いと寒く感じるので、加湿器を使って体感温度を上げる
(3) フィルターを月に1~2回清掃する
(4) カーテンの丈が短いと冷気が流れやすくなる
(5) 窓ガラスに断熱シートを貼って冷気を入りにくくする
といったアドバイスをしています。
今後、電力料金などが値上がりした場合は、上記のような細かな対策による節約効果はさらに大きくなると考えられます。もちろん、冬場のヒートショックや夏場の熱中症の対策は必要です。無理のない範囲で、温度設定に少し気配りすることをお勧めします。
出典
(※1)総務省統計局 家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)
(※2)経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト
東京電力ホールディングス ホームページ
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士