更新日: 2023.02.28 働き方

「固定残業代を払ってるんだから」と毎日1時間の残業を強いられています…これって違法ですか?

「固定残業代を払ってるんだから」と毎日1時間の残業を強いられています…これって違法ですか?
会社で固定残業代制を導入している場合、固定残業時間の範囲内であれば必ず残業しなければいけないのでしょうか。
 
そこで、本記事では固定残業代制の場合、「毎日1時間の残業を強いられるのは違法かどうか」「残業を拒否することができるのであれば、どういうときなのか」を解説。併せて固定残業代制の内容について紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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固定残業代制とは?

固定残業代制とは「一定時間“残業したとみなして”給与に残業代を含めて支給する」という制度のことです。別名「みなし残業代制」「定額残業代制」とも言われています。
 
会社側は固定残業代制を導入する場合、雇用契約書または就業規則に「固定残業代の金額」「固定残業の時間」「固定残業代=残業の対価であること」を記載しておかなくてはなりません。従業員側も会社に言われるがままに従うのではなく、自社の固定残業代制について、しっかりと把握しておくようにしましょう。
 
固定残業代制を導入した場合の「会社側のメリット」は、毎月の残業代の計算がスムーズになることです。「従業員側のメリット」は、毎月安定した給与をもらえることです。もし、一定時間を超えて残業をした場合、固定残業代とは別にプラスして残業代が支払われます。
 
一方、残業した時間が一定時間よりも少ない場合でも、固定残業代を支払わなければなりません。そのため、会社が「一定時間を超えたにもかかわらず、残業代を支払わない」「一定時間よりも少なかったから固定の残業代を支払わない」といった場合は違法になります。
 

固定残業代制の場合は残業を強制できるか?

勤めている会社が固定残業代制を導入している場合、「あらかじめ決まっている時間内であれば、残業する必要がある」と思っている人が多いのではないでしょうか。しかし、正当な理由があれば、決められた時間内の残業でも断ることはできます。
 
正当な理由としては「36協定に違反している場合」「健康(体調不良・妊娠・出産など)に悪影響が及ぶ場合」「プライベート(育児や介護など)に悪影響が及ぶ場合」が挙げられます。
 
また、「業務上残業が必要でない」とみなされる場合も、残業を断ることが可能です。例えば、自分の仕事が終わったにもかかわらず、「周りが残業しているから」という理由で、あわせて残業をするといったことがあげられます。
 
そのため、これらに該当する理由を挙げて残業を断ったにもかかわらず、「固定残業代を払ってるんだから」と毎日1時間の残業を強いることは違法になります。とはいえ、残業を業務上必要かどうかということについては、自己判断してしまうのは危険です。なぜなら、業務命令違反とみなされてしまうケースもあるからです。
 

正当な理由かあれば残業を断ることは可能

固定残業代制だからという理由で、あらかじめ決められている時間内であれば残業しなければならないということはありません。固定残業代制であっても、正当な理由があれば残業を断ることができます。正当な理由を伝えたにもかかわらず、毎日1時間の残業を強要するのは違法です。話し合っても残業を強制されるようであれば、弁護士などに相談するようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。

厚生労働省 確かめよう労働条件! 働く方へ 時間外・休日労働と割増賃金

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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