更新日: 2023.02.20 働き方
「リスキリング」とは? 注目される理由や「リカレント」との違いなどを解説
このようなデジタル技術が発展する時代に適応するために、「リスキリング」の重要性が唱えられるようになりました。しかし、リスキリングとはどういうものでしょうか? 本記事では、リスキリングの概要とリカレントとの違いや学び直しでもらえる給付金について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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リスキリングとは
リスキリング(Re-skilling)とは、今後の技術革新やビジネスモデルの変化に対応できるスキルや知識の習得をすることをいいます。
経済産業省の「リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流―」では、リスキリングは以下のように定義づけられています。
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」また、DX時代の到来で「ビジネスモデルや事業戦略が変わることで、人材戦略も必然的に変わる」ため、「DX時代の人材戦略=リスキリング」と考えられています。
リスキリングが注目される理由
デジタル技術の進歩に伴い、企業には事業形態やサービスの変化が求められています。今後さらにAIやIoT、ロボット技術などに関連する新たな職業が増加していくでしょう。デジタル技術の進歩によって仕事の進め方が変化する職業が多く出てくる可能性もあります。このようなDX時代に伴う変化に柔軟に対応できるよう、新たなスキルを習得すること=リスキリングが必要です。
リスキリングは、企業や労働者がDX時代に生き残るための重要な戦略でもあります。企業が生き残るためには、従業員の能力・スキルを再開発できる仕組み作りが必要です。
また、労働者自身も、デジタル技術に関連した能力やスキルが要求されます。この場合の労働者は、一部のIT技術者やシステム担当者だけに限られません。DXは、企業の事業形態を根本から変化させる可能性があるため、事務職や営業職、マーケターなども含め、すべての職種に対して求められる取り組みといえるでしょう。
「リカレント」との違い
リスキリングに似た言葉として、「リカレント教育」があります。リカレント(recurrent)は「反復」や「循環」の意味をもっており、ここでいう「リカレント教育」とは、社会人が必要なタイミングで学び直しすることをいいます。どちらもスキルを身につけるという目的は共通していますが、取り組み方が異なります。
リカレント教育では、離職を前提としており、教育を行う期間と就労する期間を繰り返すことで、スキルの習得を目指します。これに対し、リスキリングは基本的に就業しながらスキルを習得する点に違いがあります。
取り組み方の違いはありますが、社会人が新たなスキルを身につけていく点は共通しているため、「学び直し」の意味としては大きな違いはないといえるでしょう。
学び直しのためにもらえる給付金とは
リスキリングを始めるにはコストがかかるため 、国や自治体では、リスキリングに活用できる補助金や助成金を用意しています。労働者側の主体的な学びへの支援としては、以下のものがあります。
教育訓練給付制度
教育訓練給付制度とは、働く人の能力開発やキャリア形成をサポートし、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的としている制度です。一定の受給要件を満たす人が厚生労働大臣の指定する講座を修了した際に、受講費用の一部(20〜70%)が教育訓練給付金として支給されます。
高等職業訓練促進給付金
母子家庭の母または父子家庭の父などの、ひとり親の方が看護師、介護福祉士等の国家資格や、所定のデジタル分野等の資格取得を目的に修学する場合に、月10万円が支給されます。
まとめ
リスキリングの概要とリカレントとの違い、個人がもらえる給付金について解説しました。学び直しにはお金がかかりますが、公的制度などを上手に活用して、自己負担を少しでも減らせるようにしましょう。
出典
経済産業省 リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流―
厚生労働省 リカレント教育とは
厚生労働省 教育訓練給付制度
厚生労働省 高等職業訓練促進給付金のご案内
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部