更新日: 2023.02.07 その他家計
「金融資産」が多い世帯の特徴は? 年代や職業、働き方別に分析!
本記事では、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」をもとに、二人以上世帯の保有金融資産を年代や職業、働き方ごとに解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年代別の保有金融資産
まずは、世帯主の年齢別に保有金融資産を見ていきます。保有金融資産には、貯金以外にも株式や債券、個人年金保険などを含みます。20歳代で保有金融資産が100万円未満の世帯は約半分ですが、70歳代では約5世帯に1世帯となっています。保有金融資産額の詳細は図表1のとおりです。
図表1
~100万円未満 | 100~300万円未満 | 300~500万円未満 | 500~1000万円未満 | 1000~2000万円未満 | 2000万円以上 | 平均 | 中央値 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20歳代 | 51.2% | 20.6% | 11.8% | 10.0% | 1.8% | 1.2% | 212万 | 63万 |
30歳代 | 34.2% | 16.9% | 11.2% | 16.1% | 10.5% | 7.0% | 752万 | 238万 |
40歳代 | 34.2% | 13.7% | 8.5% | 15.9% | 13.3% | 10.6% | 916万 | 300万 |
50歳代 | 32.1% | 11.0% | 7.4% | 12.7% | 13.7% | 19.5% | 1386万 | 400万 |
60歳代 | 25.4% | 8.2% | 5.9% | 11.2% | 14.4% | 32.4% | 2427万 | 810万 |
70歳代 | 22.8% | 6.9% | 6.5% | 11.0% | 16.3% | 34.0% | 2209万 | 1000万 |
単位:円
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金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」を基に筆者作成
平均値と中央値には大きな差があることもポイントです。富裕層が平均を大きく引き上げていることがわかります。
職業別の平均金融保有資産
世帯主の就業先産業別の保有金融資産の平均値と中央値は図表2のとおりです。
図表2
保有金融資産平均値 | 保有金融資産中央値 | |
---|---|---|
農林漁鉱業 | 953万円 | 500万円 |
建設業 | 835万円 | 198万円 |
製造業 | 1410万円 | 460万円 |
運輸業、郵便業 | 805万円 | 150万円 |
卸売業、小売業 | 1959万円 | 280万円 |
宿泊業、飲食サービス業 | 646万円 | 235万円 |
医療、福祉 | 1016万円 | 320万円 |
公務、教育、電気水道業 | 1573万円 | 600万円 |
その他サービス業 | 1548万円 | 433万円 |
金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」を基に筆者作成
公務、教育、電気水道業は金融保有資産が高く、宿泊業や飲食サービス業、運輸業、郵便業は金融保有資産は低い傾向にあります。
働き方ごとの保有金融資産
世帯主のみが働いている世帯と、世帯主と配偶者が働いている世帯の保有金融資産の平均値・中央値は図表3のとおりです。
図表3
保有金融資産平均値 | 保有金融資産中央値 | |
---|---|---|
世帯主のみ就業 | 1403万円 | 411万円 |
世帯主と配偶者が就業 | 1236万円 | 390万円 |
金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」を基に筆者作成
共働き世帯よりも、片働き世帯の方が保有金融資産は多いことがわかります。これは、家計に余裕のある世帯は片働きのみで、片働きだけでは家計が厳しい世帯が共働きをしていることを表しているかもしれません。
ただし、現在の働き方改革が進むにつれて、仕事にやりがいやキャリアを求めて働く考え方が普及すれば、共働き世帯の保有金融資産額があがることも期待できるでしょう。
老後の資産を増やすには、収入を増やす
2024年1月からは新しいNISAが始まりますが、NISAに投資するには投資するお金が必要です。そのためには、収入を増やすか支出を減らす必要があります。ただし、食品や電気料金などの値上がりが止まらない現代に、これ以上の無理な節約はストレスを溜めるだけかもしれません。それを踏まえると、残された手段は収入をあげることです。
今は、転職や副業も当たり前になってきました。もちろん、現在の仕事や子育て、家事などに追われて転職活動や副業をする時間がないかもしれません。
しかし、できない理由があったとしても、現状は変わらず老後はやってきます。現在は、転職や副業を支援するサービスも活発になっていますので、ぜひ始めの一歩を踏み出してみてください。
出典
金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部