更新日: 2023.01.13 働き方
11月の平均時給は「過去最高1170円」! でもその時給で「1人暮らし」はできる? 平均支出とあわせて検証
では、アルバイトで生計を立てながら、ゆとりある1人暮らしをする場合、実際どのくらいの時給が必要になってくるのでしょうか。検証してみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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日本の平均時給は上昇傾向
人材広告・企業である株式会社マイナビの調査によれば、日本全国の平均時給は年々上昇傾向にあります。2020年に1110円だった国内の平均時給は、2021年には1123円、2022年11月時点では1170円と4~5%ほど上昇しています。特に2022年の11月は平均時給が1170円と2ヶ月連続で過去最高を記録しました。
アルバイトを中心に生計を立てる人にとって、この平均時給の上昇は朗報だといえます。平均時給は主に都市部が地方より高い傾向がありますが、エリア別でも九州地方や北海道地方などで過去最高の平均時給を記録しています。このことから、近年は地域にかかわらず高い時給で働ける環境が整ってきているようです。
1人暮らしには生活費がいくら必要?
平均時給の上昇は、2022年に入って以降続く物価高の影響が大きいともいわれています。時給の高い仕事に就いていても、物価が高騰していれば生活自体は厳しくなるかもしれません。
それでは、そもそも1人暮らしには月にどれくらいの生活費が必要なのでしょうか。総務省統計局の「家計調査」によれば、単身世帯の平均的な消費支出は2021年のデータで15万5046円となっています。もちろん、この金額はあくまで平均的な水準ですが、1人暮らしには15万円前後の生活費は必要という目安にはなります。
その場合、アルバイトで1ヶ月を乗り切るには、どれくらい働けば良いのでしょうか。2022年11月の平均時給を基準に計算していきます。
時給1000円以上は欲しい? アルバイトで1人暮らしするなら
時給が1170円で、勤務時間が8時間だと仮定した場合、1日の収入は9360円です。1ヶ月に20日間働いたとすれば、月収は単純計算で18万7200円となります。月々の平均的な生活費が約15万円ですから、それを3.7万円ほど上回る計算です。
週5日勤務、1日8時間労働という働き方を続けることができれば、アルバイトでも1人暮らしは可能でしょう。ただし、平均的な生活費である15万円については、住居費が約2万2000円と持ち家なども含んでいるため注意が必要です。
ただ、約18.7万円という月収の計算は、時給を過去最高の水準で算出したものです。仮に時給が1000円を下回る仕事だと、同じ条件で働いたとしても月収は16万円以下に落ちてしまいます。それでも平均的な生活費を上回ってはいますが、急な出費が重なれば家計が赤字に転じてしまう月も出てきてしまうかもしれません。
ですから、アルバイトで1人暮らしするためには、少なくとも時給1000円以上は確保したいところでしょう。
時給は上昇傾向! でも安泰とはいえないアルバイト生活
日本全国の平均時給が過去最高を記録し、都市部や地方にかかわらず、国内の時給水準は上昇傾向にあります。ただ、この傾向が今後も続くとは限らず、また物価高の影響も生活に大きく反映してきています。そのため、アルバイトで生計を立てる生活は決して安泰とはいえません。
物価高が続けば、時給の高い仕事でも生活は厳しくなってくるかもしれないので、食費や光熱費の節約など、工夫しながら生活していく必要があるでしょう。
出典
マイナビ ニュースリリース「2022年11月度アルバイト・パート平均時給レポート」を発表
総務省統計局 家計調査報告2021年(令和3年)平均
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部