更新日: 2022.12.28 働き方
円安の今、アメリカに「最低賃金の出稼ぎ」に行くと日本の「2倍」稼げる? 東京都の最低賃金とも比較!
そこで、今回はもし円安の際にアメリカに最低賃金の出稼ぎに行った場合、東京で働く場合とどの程度収入が違うのかについて比較し、解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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円安のメリット・デメリット
日本円の価値が下がってしまう円安は、デメリットしかないのではというイメージがあるかもしれません。しかし、自分がどのような立場なのかによってメリットなのかデメリットなのかは変わります。
・円安のメリット
もし輸出業をしていた場合、海外で得た収入(外貨)を日本円に替える際に通常より多く円を得られます。その分、会社としての利益が増えるため、輸出業者にとって円安は歓迎できる状況といえるでしょう。
同じく、海外展開している日本の企業も利益向上のチャンスです。また、円安はインバウンド需要・消費が向上することも期待できます。
・円安のデメリット
日本円から外貨に交換できる金額は減るので、海外旅行をする際の費用が高くなります。また、海外から輸入をする際に費用がこれまで以上に高くなることもデメリットのひとつです。
企業に負担がかかるだけではなく、例えば、海外からの輸入に多くを頼っているガソリンなどはその影響が一般家庭にも及びます。
最低賃金で日本で働く場合とアメリカで働く場合はどちらの収入が良い?
円安の場合、日本よりアメリカでの収入のほうが良いだろうと思いがちですが、実際には日本で働く場合とどの程度の収入の違いがあるのでしょうか。
アメリカの首都ワシントンD.C.と日本の東京の最低賃金で1日8時間、週5日で1ヶ月間それぞれ働いた場合を想定。また、今回は税金等については考えず、1ドル138円(2022年12月16日現在)として単純計算での収入を比較することとします。
・ワシントンD.C.で働いた場合の収入
ワシントンD.C.での最低賃金は16.10ドル(約2222円、2022年12月16日現在)です。
1日あたりの収入は「16.10ドル×8時間=128.8ドル」、週5日勤務(1ヶ月間で20日間)として、「128.8ドル×20日=2576ドル」となります。ワシントンD.C.での収入は1ヶ月間で2576ドル、日本円にして約35万5488円です。
・東京で働いた場合の収入
東京での最低賃金は1072円(2022年12月16日現在)です。1日あたりの収入は「1072円×8時間=8576円」、1ヶ月間の収入は「8576円×20日=17万1520円」。これによって、東京で最低賃金で働いた場合の1ヶ月間の収入は17万1520円であることがわかります。
・アメリカで働いたほうが約18万円収入が多い
最低賃金で働いた場合、アメリカでの収入が35万5488円、東京での収入が17万1520円です。比較すると、18万3968円差とアメリカでの収入のほうが多いことがわかります。
円安以外にも物価の差もあることから一概にはいえませんが、計算の上ではアメリカで働くほうが収入が多くなるといえるでしょう。
円安時はアメリカで働くほうが約18万円ほど収入が多い
東京とアメリカではアメリカのほうがいろいろと物価が高いといえます。生活費も高額になる可能性があるでしょう。
そのため、一概にはいえませんが、最低賃金で同時間働いた場合、アメリカでの収入のほうが月18万円ほど高くなります。単純計算でアメリカでの収入は東京の約2倍あるため、アメリカで働き、節約しながら暮らすなどして貯蓄するのもひとつの方法といえるでしょう。
出典
Economic Policy Institute 最低賃金トラッカー
東京労働局 東京都最低賃金は10月1日から時間額1,072円になります
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部