更新日: 2022.12.30 貯金
なぜ貯金できないんだろう? FPが伝授する貯金ができるようになる方法
では、貯金ができるようになるためには、どのようなことを心がけていけば良いのか、考えてみましょう。
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
的確・適正な目標額を設定する
お金を貯めるとなると、筆者の相談者さまのなかには、10年で1000万円、退職までに1億円など、目標を掲げている人がいます。
目標とは、簡単なものよりも、少し背伸びするような高めの目標にすると、達成したときの喜びや感動もひとしおでしょう。とはいえ、それは資格試験の目標やビジネス上の目標での話です。
そもそも「なぜ貯金ができないんだろう?」というお金が貯まらない・貯められない状態で、高い目標を掲げたとしても、最初の数回・数ヶ月は貯金を続けていくことができるかもしれませんが、長く続かないケースが多くみられます。
また、今まで使えていたお金が使えなくなってしまうと、それまで行っていた積み立てを解約したり、貯金したお金を引き出したりしてしまうケースがあり、資産全体としてみた時に、たいして貯蓄ができていなかったという結果になりかねません。
これでは、せっかく目標を立てた意味がありませんよね。そこで大切になるのは、的確・適正な貯金額を設定することです。
いくら貯金できるかを考えよう
今まで貯金ができていないのですから、どのくらいの金額を貯蓄するのが的確・適正なのかは分からないですよね。
的確・適正な貯金額とは、簡単に言えば、生活に必要な各種費用を取り除いた金額です。
筆者の相談者さまのなかには、生活を切り詰めれば月々プラス1万円貯金できるなどという人がいますが、目標を達成するまでの間、生活を切り詰め続けるのは難しいです。毎月貯金する金額は、貯金し続けられる金額にすることが大切です。
ただ、無理のない金額で設定してみましょうと申し上げると、「0円」「余裕はない」という人もいます。しかし、本当に貯金はできないのでしょうか?
貯金をする前に、まず、家計の見直しをしてください。その中で、無駄に使っているお金がないかをチェックします。
具体的には会費だけ払っていて利用していないスポーツクラブやサブスクリプション費用。定期購読しているにも関わらず、読まない新聞や雑誌代。暇つぶしのために入るカフェの費用などが挙げられます。このようなモノやコトがあれば、解約・行動をやめるだけで、貯金に回すことができますよね。
また、公共料金のプランを見直しすることで、余裕資金が生じることがあります。
これらを実行していくと、いくらかの余裕資金が生まれてきます。家計の見直しで生じたお金は、余裕資金となります。余裕資金の全額でも一部分でも良いので、貯金にあて、毎月の貯金を習慣化することが大切なのです。
家計の見直しをする場合、ひとりで解決できることから、家族の協力が必要になることもあります。特に携帯電話のキャリアやプランの変更は、劇的に支出を減らせる可能性がある反面、家族に同意が得られないこともあります。どのような目的で見直したいのかを伝え、家族にも協力してもらうようにしてください。
楽しみながら貯金を続けるために、ご褒美を準備する
いくら余裕資金とはいっても、継続するのは大変です。そこで、「お楽しみ」を用意して貯金を続けてみてはいかがでしょうか。
例えば、10万円貯まったら豪華なランチを食べにいく。100万円貯まったら家族で温泉に行くなどです。楽しみがあると、続けやすいかもしれません。
このとき、お楽しみの費用を貯金から引き出したら意味がありません。通常の貯金とは別に、「お楽しみ貯金」も行い、2本立てで貯金をすることをおすすめします。
実は、「お楽しみ貯金」は、お楽しみ以外にも使い道もあります。急な出費でお金が必要になったとき、本来の貯金から引き出すと貯金のテンションが下がってしまうかもしれませんが、「お楽しみ貯金」なら、引き出したとしてもモチベーションは下がりづらいです。
また、「お楽しみ貯金」が減ってしまったことで、お楽しみを実行できなくなったり、お楽しみを実行するタイミングを先送りしなければならなくなるため、がんばって貯金しようという気持ちにもさせてくれるかもしれません。
ただし、楽しみを優先して、「お楽しみ貯金」の金額を増やしては意味がありません。筆者は、「お楽しみ貯金」は本来の貯金の5~10%以内に抑えるようにおすすめしています。
貯金は、いかに習慣化するのかが大事です。貯金したいと思ったら、無駄を見直したり、貯金生活を始めてみましょう。
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト