更新日: 2022.12.28 貯金
いまさら聞けない? 「預金」「貯金」「貯蓄」の違いって何?
本記事では、貯金と預金、貯蓄がもつ意味について詳しく説明します。どの言葉も同じと解釈する人も多い貯金と預金、貯蓄について理解して、マネーリテラシーを高めるきっかけにしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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貯金と預金は「お金の預け先」が違う
貯金と預金は、お金を預ける、貯めるといった点が共通し、実際に区分されずに利用されるケースもみられます。しかし、厳密にいうと貯金と預金は「どこに預けるかによってよび方が変わる」と解釈するとよいでしょう。
本項では「貯金と預金について」「貯金と預金のよび方が変わる背景について」の2点を解説しますので参考にしてください。
預金は金融機関にお金を預けること
「預金」とは、銀行や信用金庫、信用組合、労働金庫といった金融機関にお金を預けることを意味します。ただし、ゆうちょ銀行、農協(JA)、漁協(JF)などに預けるお金は預金に区分されません。
由来は、1873年に日本初の銀行(第一国立銀行:旧第一勧業銀行、現みずほ銀行)が誕生し、英語の「deposit(デポジット)」を訳して預金という言葉が使われるようになったからといわれています。当時は預け入れ可能な最低金額が1口5円(現在の20~30万円程度)だったため、銀行を利用するのは都市部の商人や企業が中心だったとのことです。
また、預金保険制度の加盟金融機関に預金した時点で、預金者と金融機関と預金保険機構の間には保険契約が自動的に成立しています。金融機関が倒産や破綻しても、預金保険制度(ペイオフ制度)の適用によって「1金融機関1預金者あたりの元本1000万円、その利息等」が保護される点も預金の特徴といえるでしょう。
貯金はお金を貯めること
ゆうちょ銀行、農協(JA)、漁協(JF)で預金に該当するものを「貯金」という名称で取り扱っています。そのほかにも貯金の意味は幅広く、お金を貯めること全般と解釈するとよいでしょう。例えば「貯金箱で500円玉を貯める」や「タンスの引き出しにお金を貯める」といった行為も貯金に含まれます。
貯金とよばれる背景となるのが、ゆうちょ銀行の前身である郵便貯金で、1875年に郵便貯金制度が運用開始となった際に、「savings(セービングス)」を訳して貯金という言葉が使われるようになったとのことです。また、都市部の商人や企業の利用が中心の銀行預金に対し、郵便貯金は主に貧しい農民が多く、個人がお金を預ける性質が強いものでした。
ゆうちょ銀行、農協(JA)、漁協(JF)などが倒産や破綻した際は、貯金保険制度が適用されます。預金保険制度とは名称は異なるものの、貯金者1人当たり元本1000万円までとその利息等が保護される点は共通します。
貯金と貯蓄は「蓄える対象の範囲」が違う
貯金や預金がお金を預けることを表すのに対し、貯蓄は金融資産全体を意味します。貯金や預金をはじめ、次のようなお金を増やすための方法を総称したものが貯蓄です。
●債券
●株式
●不動産などの投資
●積み立て式の生命保険
●個人年金
●個人型確定拠出年金
要するに貯金や預金の目的がお金を貯めることとすれば、貯蓄の目的は現状よりも財貨を増やすための資産運用と解釈すればいいでしょう。特に投資信託や不動産、保険などの金融商品は、元本割れのリスクも高いものの貯金や預金と比べて資産を増やせる可能性が高いです。
貯蓄と貯金と預金の違いを理解して正しく使い分けよう
貯金と預金、貯蓄の意味を改めて確認してみると、それぞれの特徴や性質が異なることが分かったのではないでしょうか。
貯金や預金がお金を貯めることに区分されれば、貯蓄は増やすための方法として区分されます。「マイホームを手に入れるためのお金を貯めたい」「老後生活に向けた貯蓄を欠かせない」など、世代に関係なく将来に備えた資産作りは欠かせません。
生活基盤を形成するための方法として貯金と預金を行い、将来的な希望や目的を実現させるために貯蓄を始めることを検討してみてください。
出典
金融庁 預金保険制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部