更新日: 2022.12.26 家計の見直し
都内一人暮らしで生活費は「月20万」です。新卒社会人ですが高いでしょうか?
この記事では、都内で一人暮らしをする場合、生活費として20万円というのは高いのかどうなのかを解説します。また、生活費として20万円も使えない場合、どのように節約をすればよいのかも説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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東京都で生活費20万円は平均的
総務省の「2021年家計調査」で、住居費を除く一人暮らし世帯の1ヶ月当たりの平均的な消費支出の額を見ると、大都市圏で13万3819円、関東地方で13万8311円、全国平均が13万2930円でした。ここから、一人暮らしをしようとすると住居費以外に約13万円~14万円が必要だということが分かります。ここに住居費を加えた額が一人暮らしをするために必要な生活費です。
全国賃貸管理ビジネス協会が公表している2022年10月時点での、東京都内の1部屋(1K、1DK、1LDK)の物件の家賃相場は6万9267円でした。これを関東地方の平均的な消費支出額(住居費を除く)に加えると20万7578円となります。東京都内で一人暮らしをするときの生活費が20万円というのは、平均的な額で決して高いとはいえません。
就職して間もない若者にとっては使いすぎ!?
しかし、生活費で月に20万円使ってしまうと、蓄えなどに不安が出てくるかもしれません。2021年の「民間給与実態統計調査」によると、20代前半の平均年収は男性が287万円、女性が249万円、平均が269万円でした。仮に、年収270万円の場合、1ヶ月当たりの額面収入は22万5000円で、手取り収入は約18万円となります。
ちなみに、東京労働局が公表している、2022年3月時点の大卒者の求人初任給は21万円でした。働き始めたばかりの若者にとっては、生活費で20万円を使ってしまうと、貯蓄が難しいですし、生活が成り立たなくなってしまうかもしれません。
働き始めのうちは、できるだけ少ない生活費で生活するよう工夫したほうがよいでしょう。今後のライフイベントや不測の事態に備えてしっかり貯蓄をしていくことを考えると、手取り収入の1割は貯蓄に回したいところです。仮に手取り収入が18万円で1割を貯蓄に回した場合、1ヶ月に生活費として使えるのは16万2000円となります。
生活費を抑える方法
一人暮らしの生活費を抑えるために意識したいのが、固定費をできるだけ減らすことです。固定費の代表というと住居費。企業が社宅や借り上げ住宅を用意している場合には利用し、できる限り家賃を抑えるようにしましょう。そのような制度がない場合でも、家賃を抑える努力はできます。
まず、JR沿線よりも私鉄沿線を選ぶことで家賃相場を下げられます。例えば、JR中央線沿線だと国立以西でないと、ワンルームマンションの家賃相場が5万円以下になりませんが、西武池袋線だと急行停車駅のひばりヶ丘駅で5万円となります。このほか、東京都ではなく隣接する県に住むことで家賃相場が下がり、生活費の額を減らせます。
都内で生活費20万円は平均的だが若者はそこまで届かないかも
東京都で一人暮らしをする際の生活費が20万円というのは、平均的な額で高すぎではありません。
しかし、若年層の中には東京都の企業に勤めていても手取りが20万円を切る人もいるでしょう。その場合も、収入の1割は貯蓄に回すようにするのが無難です。生活費にあまりお金を使えない場合は住居費などの固定費を抑えるようにしましょう。都内に勤める場合、私鉄沿線や隣接県に住むなどで生活費を抑えられる可能性が高くなります。
出典
総務省 家計調査(2021年)
全国賃貸管理ビジネス協会 全国家賃動向
国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査
厚生労働省 東京労働局 令和4年3月 新規学校卒業者の求人初任給調査結果
SUUMO JR中央線(東京都)の賃貸家賃相場を調べる
SUUMO 西武池袋線(東京都)の賃貸家賃相場を調べる
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部