更新日: 2022.12.21 働き方
「ジョブ型雇用」と「タスク型雇用」って何? これまでとの違いは? 給与と安定性はどうなの?
本記事では、ジョブ型雇用とタスク型雇用の概要や特徴、給与、安定性について、それぞれまとめました。
転職などを考えていて新しい働き方が気になっている人は、ぜひチェックしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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職務内容ごとに適した人材を雇用する「ジョブ型雇用」
ジョブ型雇用とは、職務単位で、その職務に適したスキルや経験を持つ人材を雇用する方法のことです。日本で主流のメンバーシップ雇用(採用後に配属先を決める方法)と異なり、最初からスペシャリスト、即戦力を採用するという考え方です。
成果主義の導入、コロナ禍における働き方の多様化など、企業を取り巻く環境が大きく変化している昨今では、よりスピード感を持って専門的なスキルを持つ人材を確保できること、個人の役割を明確化できることなどから、ジョブ型雇用は注目を集めています。
ジョブ型雇用の給与の特徴
ジョブ型雇用の報酬は、業務で上げた実績への評価を基に決まるのが一般的です。年功序列的に給与が上がる従来システムでの雇用と比べて、全体的な給与水準は高い傾向にあります。
しかし、職務の内容次第で重要度や会社への貢献度に差が付きやすいことから、職務間で格差があるケースもみられます。
また、評価は会社が行うことから、主観的な判断や人件費などの問題から、昇給しづらいこともあるようです。年功序列的な昇給システムを採用し続けてきた日本の企業では、業種・職種に対する報酬相場のデータが乏しいことも、順当な昇給を妨げる一因です。
ジョブ型雇用を推進するにあたって、会社基準ではなく、市場が形成する相場を基に給与が決まる環境が求められています。
ジョブ型雇用の安定性は?
「ジョブ型雇用は簡単にクビになる」といった意見がみられることがあります。しかし実際には、ジョブ型雇用であっても、メンバーシップ雇用の従業員と同じく不当な解雇は認められません。
たとえ採用した職務がなくなっても、企業側には配置転換などを打診して解雇を回避する義務があります。そのため、ジョブ型雇用の安定性は著しく悪いわけではありません。
ただし、ジョブ型雇用の増加にともない、今後、採用された職務に対する能力不足や、職務自体の消失を理由とする解雇が合法となり、企業側が従業員を解雇しやすくなるのではないかと懸念する声もあります。
タスク・プロジェクトごとにスポット的な雇用をする「タスク型雇用」
タスク型雇用とは、タスクやプロジェクトごとに、状況に応じて人材をスポット的に雇用する方法を言います。業務単位で雇用するジョブ型雇用よりも、より担う役割の範囲が限定されるのが特徴です。
業務のIT化に伴い、タスクを細分化できるようになったことで、タスク型雇用による社外の人材の活用などを実践する企業が増えています。
タスク型雇用の給与の特徴
タスク型雇用の報酬は、担当するタスクやプロジェクトの内容や、達成した実績を評価して決まるのが一般的です。そのため、一般的な雇用形態の従業員とは異なります。
また、同じタスク型雇用の従業員同士でも、タスクの難易度や能力などの要素によって、報酬には差が付きます。
タスク型雇用の安定性は?
タスク型雇用は、タスク・プロジェクト単位で人材を雇用する方法です。そのため、タスクやプロジェクトの完了と同時に雇用が終了することが多く、基本的には短い雇用期間での契約となります。
仕事の内容によっては、1日などの超短期雇用となるケースもあります。したがって、安定した働き方とはいえないでしょう。
スキルを活かせる新しい働き方をチェック
ジョブ型雇用やタスク型雇用は、始めから自分が持つスキルを職務やタスクにマッチングさせた仕事に就ける、新しい雇用形態として注目されています。
自分の能力を最大限に活かせる仕事に就きたいと望んでいる人は、働き方の1つの選択肢として、ジョブ型雇用・タスク型雇用での採用を目指してみてはどうでしょうか。
ただし、まだ日本の雇用システムに馴染んでいない部分もあるため、雇用条件を十分に理解した上で就職することが大切です。
出典
ジョブ型雇用とは | 人材育成・研修・マネジメント用語集|リクルートマネジメントソリューションズ
ジョブ型人事制度とは?導入の流れと取り入れるポイント | 記事・トピックス一覧 | 法人のお客さま | PERSOL(パーソル)グループ
政府・財界推しの「新しい働き方」にひそむワナ|全国労働組合総連合
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部