更新日: 2022.12.19 働き方
会社に「タイムカード」がないのは「違法」ですか? 給料は支払われているのですが不安です…
今回はタイムカードに関する違法例とともに、従業員はどのようなことをすればよいのかなどについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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タイムカード自体がなくても違法ではない
タイムカードがなければ労働時間が記録されていないため、正確な給与計算もできないのではないかと不安になるかもしれません。ただ、タイムカード自体がなくても違法ではなく、あくまでもひとつの記録方法です。
・労働時間を正確に記録・管理していなければ違法
労働基準法の改正に伴い、会社は従業員の労働時間を正確に記録・管理することがルールとして定められました。会社は何らかの方法を使って従業員の労働時間を記録し、労働に関する書類を5年間保管しておく義務があります。
たとえ、毎日の労働時間が決まっていても、日によっては残業をしたり、病気などで休んだりする日もあるでしょう。そのため、会社はタイムカードやパソコン、ICカードといった適切な方法で従業員の労働時間を管理しなければなりません。そういった方法を一切とらず、勤怠管理をしていない場合は違法になります。
・自己申告制にする場合の条件
タイムカードやパソコン、ICカードなどを使用できない場合は、自己申告制を採用することも可能です。ただし、厚生労働省のガイドラインに沿って、従業員に対して十分な説明を行うことが条件となっています。
さらに、必要に応じて、自己申告された労働時間と実際の労働時間に違いがないかを確認しなければなりません。決められた労働時間外に会社にいた理由もきちんと確認し、その理由についても事実確認が必要です。ほかにも細かなルールがあるため、ガイドラインの確認をしておきましょう。
・残業代が給与にあらかじめ含まれていないか確認を
会社によりますが、みなし残業代として、毎月の給与に残業代が含まれているケースもあります。その場合、残業代があらかじめ給与に含まれている金額を超えていなければ、別途支給されることはありません。もし、残業代が給与内に含まれている金額以上だった場合は、あらためて足りない分を会社に請求できます。また、給与に含まれていない場合も、きちんと正確な給与が支払われているかどうかを確認しましょう。
自分で勤怠管理する場合は無料アプリを活用するのもおすすめ
会社でタイムカードやほかの出退勤などを記録する方法が用意されていない場合は、自分で労働時間を記録しておくほうが安心です。記録の方法は、手書きの場合は手軽ですし、自分だけが確認のために見る分にはよいでしょう。
ただ、手書きは書き換えられたり、時間を書き間違えたりといった可能性がないとはいえません。そのため、アプリを使うなどして管理しておくほうが無難です。
・アプリで管理することにより自分で労働時間の確認ができる
勤怠管理アプリは、出退勤時間にボタンを押すだけで正確に時間が記録されます。また、そういったアプリのなかには記録内容から給料を自動計算できるものがあるので、支払われている給与が正確なものかどうかを確認することも可能です。
・残業時間や休日などもしっかり記録
勤怠管理アプリは残業した時間や休日なども記録できるため、もし雇用されている会社に提出する必要が出たときにも便利です。例えば、メール機能が搭載されているタイプもあるので、提出する際には記録内容をそのまま送信できます。
自分で勤怠管理をする場合、手書きは避けるのが無難
会社には従業員の勤怠管理を正確に行い、労働に関する書類も5年間保管しなければならない義務があります。タイムカードは、あくまでも出退勤を管理するためのひとつの方法です。
そのため、タイムカード自体がなくても違法にはなりませんが、勤怠管理が適正に行われていなければ違法になります。給与が正確に支払われているのかを確認するためにも、自分で勤怠管理アプリを利用するなどして管理しておきましょう。
出典
厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部