更新日: 2022.11.12 その他家計
小麦高騰でパンや麺は値上げ。食パンとお米はどっちがお得? 自炊の方がやはり節約になる?
しかし、給与は今までと変わらないため、節約を余儀なくされている方も多いでしょう。特に、パンや麺類は頻繁に食べる食品ですが、原料となる小麦の高騰が顕著です。
そこで、主食をお米へ切り替えることと、自炊が節約につながるかということを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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小麦が高騰している原因
小麦高騰の主な理由は3つです。
(1)小麦の国際価格の上昇
小麦は、パンや麺類だけでなく多くの食品に使われていますが、日本では消費されている小麦の多くを輸入に頼っています。小麦の産地であるアメリカやカナダでの不作、ロシアのウクライナ侵攻による供給懸念から国際価格が上昇しました。
(2)海上運賃の高騰
新型コロナ拡大による港湾労働者不足やコンテナ不足などの影響により、輸送の需要に対して船舶の供給が不足。輸送費が高騰しました。
(3)続く円安
2022年3月以降、急激な円安・ドル高が進み、現在(2022年11月)も続いています。事態を重く受け止めた政府が小麦価格の高騰を抑えていますが、価格が大きく抑制される可能性は低いでしょう。
物価の優等生であるお米も価格上昇へ
これまで物価の優等生といわれてきたお米ですが、2022年度産の新米については、価格の上昇が避けられません。価格上昇の主な理由は、生産量の減少と流通コストの値上がりです。
お米の消費量は減少が続いていることから、政府が主食米から飼料用米や小麦への転作を促したため、生産量が減ってしまいました。さらに、肥料や流通のコストが高騰していることも値上げに影響しています。
小麦もお米も価格が上昇していますが、どちらを食べた方が節約となるのでしょうか?
総務省が発表している「小売物価統計調査」によると、2022年10月の東京都区部での「コシヒカリ以外のうるち米」の価格は5キロで2114円、「食パン」の価格は1キロで496円でした。
農林水産省によると、品種や炊き方によって違いはあるものの、茶わん1杯で精米約65グラムとされています。これを基に計算すると、米5キロは約77杯分のご飯が炊けることになり、1杯分は約27.4円となります。
また、日本パン公正取引協議会では、「包装食パン1個の重量が340g以上のものについては『1斤』と表示する」としています。これを基に計算すると、食パン1キロは約2.9斤分となり、食パン1斤は171円、6枚切りの場合、食パン1枚は28.5円となります。
以上から、ご飯の方が食パンよりも1.1円安いという結果になりました。どんな銘柄の米や食パンを購入するか、一食当たりどのくらいの量を食べるかによってコストは変わりますが、ご飯の方が節約になる可能性が高いといえるでしょう。
外食と自炊はどちらが節約効果が高い?
一般的に、外食よりも自炊の方が節約効果が高いといわれています。しかしそれは、家族の人数やライフスタイルが影響する点に注意が必要です。
自炊は、食材の買い方や調理法の工夫で節約効果が高まります。しかし、自炊にかかる時間とコストを含めて考えると、自炊が節約につながるとは限りません。自炊をするときにかかる光熱費、調味料や食材を無駄にしてしまうリスクなども考慮する必要があるからです。
また、そもそも料理が好きでない方や忙しくて時間が取れない方にとって、自炊自体が苦痛になることもあります。
外食だけでなく、冷凍食品やテイクアウトを有効活用するなど、食費を抑える方法はほかにもあります。自分の性格やライフスタイルを考慮し、無理のない方法を選ぶことが大切です。
小麦価格の高騰はお米へのシフトでカバーしよう
社会情勢に伴って小麦価格の上昇が続いています。お米の価格も高騰していますが、お米を食べた方が節約につながる可能性が高いです。
また、外食よりも自炊した方が食費を抑えられるといわれていますが、ライフスタイルや家族構成、料理に対する姿勢などによって節約効果が変わります。
自分にとって無理のない方法を選び、食費の節約に努めましょう。
出典
総務省統計局 小売物価統計調査 2022年10月 表番号2 主要品目の東京都区部小売価格【2021年10月~2022年10月】 「1001 うるち米(単一原料米,「コシヒカリ」)」~「2183 学校給食(中学校)」
農林水産省 子どもから、「茶碗1杯のごはんはお米何粒?また、稲だと何株?」と質問されました。目安を教えてください。
日本パン公正取引協議会 包装食パンの斤表示(保証内容重量の表示)の義務化
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部