更新日: 2022.10.30 働き方
副業の収入が本業の収入を上回ったときって、どうしたらいい?
今回はそういった方に向け、副業の収入が本業の収入を上回った場合に今後どのように対応したらいいか解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
税務署に開業届を提出する
今までは小さい規模で副業を行っていて、まだ開業届を出していないという場合、税務署に開業届を提出しましょう。副業の収入が本業を超えてしまえば、それはもう立派な事業といっても差し支えありません。開業届を提出し、副業を継続するための基盤を作っておきましょう。
開業届を提出すると、屋号(個人事業主やフリーランスが事業で使用する名称)が取得でき、屋号付きの銀行口座を作成できるようになります。これで本業とは別の副業用の口座を明確に分けることができますし、副業での取引において相手からの信用も高まることがあるでしょう。
節税と確定申告について考える
副業で得た所得の合計が本業の収入を超えている時点で、多数の方が確定申告を行っているかと思いますが、初めて20万円を超えたという場合は確定申告が必要です。
開業届と同時に税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」も提出すれば、確定申告の際に青色申告の対象となり、一定の要件を満たす場合は最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。もし既に開業届を出している場合は、すぐに青色申告承認申請書を提出しておきましょう。
また、自宅の家賃や光熱費、自家用車にかかる燃料代などのうち、副業を行うために使用した部分は副業の経費となります。例えば、賃貸アパートの1室を副業専用で使っているケースなどです。これまで副業の所得の確定申告に経費を入れていなかったという場合、適切に経費を支出することで節税につなげることができます。
これまで毎年確定申告をしていた方でも、青色申告を行う場合は準備や手続きに手間取る可能性があります。副業が本業の収入を超えた時点で、節税を含め、あらためて確定申告についても考える必要があるでしょう。
法人化を検討する
会社員をしながら副業を行っている方であっても法人化は可能です。法人化することで社会的信用が高まるほか、法人は個人事業主よりも節税可能な範囲や金額が異なります。
さらに、法人化して従業員を雇用し、自分が本業で働いている間も副業で行っている事業が稼働するようにすれば、副業の収入をより増やしたり、長い目で見れば少ない労力で収入を得たりすることができるようにもなります。
独立を検討する
副業が本業の収入を超えたとき、それは独立を検討するチャンスです。副業の収入が一過性のものであり、継続性が低いものであれば話は別ですが、そうではない場合、独立して成功する可能性もあると考えていいでしょう。
副業を本業にしてしまえば、その事業に専念することができます。自身がスキルアップし、希望する働き方の実現に近づくことで、さらなる収入アップが見込めるかもしれません。
ただし安易な独立は、本業となった副業がうまくいかなくなったときに後悔する原因にもなりかねないため、しっかりと検討した上で準備を進める必要があります。
副業の収入が本業を上回ったら人生の分岐点としても考える
副業の収入が本業の収入を上回るようになってきたら、そこはある意味、人生の分岐点とも考えられます。事業としてある程度は経営に力を入れていくことで、売り上げアップを目指したり、独立によって自分の理想とするキャリアを歩むことができたりする可能性もあるでしょう。
節税対策や法人化、さらに独立など、今後の行動によって将来が大きく変わる段階でもあります。例えば、税金のことであれば必要に応じて税理士に相談するなど、副業の今後の展開について十分に考えていくようにしてください。
執筆者:柘植輝
行政書士