更新日: 2022.10.18 家計の見直し

家計の「資金繰り表」を作ってみよう! 作り方から活用方法まで解説

家計の「資金繰り表」を作ってみよう! 作り方から活用方法まで解説
資金繰り表は、一定期間の現金の動きを把握するために作成する管理表です。家計で使用する場合には、現在から将来までの期間を記入することになります。本記事では、家計の資金繰り表の作り方や活用の仕方について解説します。

執筆者:辻本剛士()

資金繰り表とは

資金繰り表は、企業活動において現金収支の状況を把握するために作成され、商品を売り上げた際の入金のタイミングがいつなのか、材料費などの支払いのタイミングはいつなのかが分かります。
 
企業は利益が出ていても現金や預金残高不足によって支払いが滞れば、黒字倒産のリスクもあるため、正確に把握する必要があります。
 
家計においても現金や預金残高不足になれば、破産することになるため、資金繰りは考慮すべき点です。家計の資金繰り表は、普段つけている家計簿を参考にしながら収入と支出に分けて作成します。
 
家計の資金繰り表を作成することで、先々の家計収支でどこに問題があるのかなどが前もって分かるようになるため、一度作成しておくとよいでしょう。
 

家計の資金繰り表の作り方

資金繰り表は、収入と支出しかないため、前月の繰越額と当月の収入額から当月の支出額を引いて月末残高を出し、その月末残高が繰越額になる仕組みです。家計の資金繰り表を作成するにあたってそれぞれの項目についてご紹介します。
 

収入の部

収入の部は、毎月の給与や年に数回ある賞与、副業なども行っていればその収入額なども記載します。収入を記載するにあたって、税金や社会保険料などを除いたいわゆる「手取り収入」である可処分所得を記載しましょう。
 

支出の部

普段家計簿をつけている人であれば、住居費や水道光熱費など一つひとつの費目に使った金額を記載しているでしょう。家計簿で使っている費目を参考にしながら支出の部に費目を記載します。支出の部は、大きく固定費と変動費に分かれ、その費目は図表1のとおりです。
 


筆者作成
 
図表1は一例となります。その他、賃貸住宅であれば基本的に賃貸住居の更新料があり、持ち家であれば固定資産税があります。
 
賃貸や持ち家に限らず火災保険料などもあるため、通帳やクレジットカードの明細書などを確認して記載漏れのないようにしましょう。記載漏れがあると、どこかのタイミングで資金繰り難に陥る可能性もあるため注意が必要です。
 

家計の資金繰り表の例

家計の資金繰り表の例は図表2のとおりです。
 




筆者作成
 
資金繰り表の例では、実績部分で1000円未満は記載していません。実際に活用する際には、1円単位まで管理するとよいです。
 

資金繰り表の活用の仕方

家計の資金繰り表を実際に毎月記載していくと、どの費目の予算が超えているかや、使いすぎている費目が何かが分かるようになります。もし使いすぎている費目があれば翌月以降は抑えるようにします。
 
またエネルギー価格の高騰によって、電気代が上がることが電力会社の通知などから分かれば、その通知に合わせて予算額を変更することになります。その場合、収入は変わらないため他の費目との調整が必要です。
 
支出を減らすことを検討する際には、一般的に固定費はなかなか抑えることが難しいため、変動費を中心に抑えましょう。
 
家計の資金繰り表を作成することで、家計簿だけでは見えない日々の家計状況の全体像が見えるようになります。1年間の収支項目を作成し予算を作って、運用していくとよいでしょう。
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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