家計簿プロジェクト③ 家計簿で自分の性格が丸わかり!?
配信日: 2017.03.14 更新日: 2024.10.07
今回は、Aさんの娘さんのB(36歳)さんが登場です。Bさんの家計簿体験から、チャージ式のカードやクレジットカードでの支払い時の家計簿への記入や趣味にかけるお金について考えます。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
家計簿をつけることで、貯蓄できない理由を探る
家計の改善をしたいとご相談にいらしたAさん。相談時には娘さんのBさんも同席されていました。実家で暮らしているので、本来なら貯蓄が出来るはずなのに出来ていないとのこと。その原因を探るべく、「ご自身では、何に使っていると思いますか?」と伺ったところ「わかりません」という回答でした。生活ぶりからも大きな支出は考えられません。そこで、まずは家計簿をつけていただくことにしました。Bさんに家計簿をつけた感想と難しかった点を聞いてみました。
<Bさんの感想>
家計簿を付けてみて感じたことは、1カ月目は頑張ったのですが2カ月目はその気持ちが続かず、家計簿に向いていないと思ってしまいました。
記入する時に悩んだ点は、
① パスモでジュースを買った時はどうするのか?
② カード払いの時はどうするのか?
【FP宮﨑から家計簿を続けるためのポイントのアドバイス】
①カードが普及して、支払いに現金を使わない場面が増えました。ポイントが貯まりますし、レジでの支払いがスムーズです。
チャージ式カードの場合、例えば3000円チャージしたら、お財布から3000円出ていきますがカードで同額の買い物が出来るので、支出ではありません。
家計簿上の残金と実際のお財布の中身が合わなくなりますが、「カードは2番目のお財布」と考えると良いと思います。カードで支払う=2番目の財布から払う。レシートには残高も載ってきますので、管理はしやすいと思います。
私の場合、実はズボラなので、チャージした時点で支出として、
<交通費>パスモ チャージ 3000円
と記入して、実際に乗車した時に記載はしません。私の場合は、パスモのような交通系カードでジュースを買うことは稀ですので、これで管理ができています。
■同様にコンビニのカードも、
<食料品>ポンタカード チャージ 2000円
といった具合です。お弁当やお茶以外に、ノートを買ってしまっても気にしません。
キチンと付けるのなら、チャージはメモに残して、カード払いの支出費目も分けるべきでしょうが、煩わしいからといって続かなかったら本末転倒です。とにかく続けましょう。
②一般的なカード支払い(後払い)の場合、カードで支払った日と銀行から引落しさせる間にタイムラグが生じます。家計簿には<カード利用>といった別枠が設けられている書式が多いので、カードを使用した日に、ここに記入します。月末に費目別に集計する際は、食費・衣料費……と分けて加算してください。集計が赤字になっている場合は、翌月の予算を調整してください。クレジット控えは必ず取っておいてください。食料品も日用品もカード払いで済ませている、という人も増えていますが、節約を意識するためには、暫くは現金生活をおススメしています。
家計簿をつけることで、自分の弱点が見えてくる
家計簿の効果はてきめんで、私がアドバイスするまでもなく、Bさんは自分の無駄遣いを洗い出していました。スマホを2台持っていたのを「ガラケー1台に変更しました」と報告を受けました。彼女にとってスマホは必要ないという判断で、悩むことなくスッパリ決断出来たようです。
Bさんは実家で暮らしているため、家計簿はいたってシンプルです。大きな出費にはそれぞれの理由がありました。見る限りでは、無駄も見当たらない……。実は秘密が隠されていたのです。それは、“二重家計簿!! 私が見ていた“表向き家計簿”と、ありのままに書かれた“裏家計簿”が存在しました。裏家計簿には彼女が趣味に使っている大きな金額が載っているそうです。この件に関して彼女はこんなことを話してくれました。
<Bさんの話>
私が初めて本当の“裏家計簿”を付けた時は、あまりの金額の多さにひっくり返りました。今でも、こちらを見るとゾッとします。分かっちゃいるけど止められないのです。これを一瞬にして克服するのは無理だと思います。金額・時期・何故使ってしまったのか?を自分で把握することで、自分の弱点を検証したいと思います。
趣味を持つことは大切です。それが生きがいになることもありますし、共通の趣味を持った友人も出来ます。人生にとって良いことがたくさんあるのですが、長く続けるためには冷静さも必要です。彼女の場合は占いだったのですが、「使い過ぎて後悔……」という話は着物や宝飾品でよく耳にします。エステやマッサージにハマった場合も要注意です。
<FPから相談者へ 3カ月目の気づきポイント>
1か月の収支がわかってくるので、予算を立ててみる
①毎月の貯蓄額を決める。
最初は緩く~収入の10%の金額で積立預金を始めるなど、ルールを作ると貯金体質になることが出来ます。貯金したい金額を先に別口座に移すことが鉄則です。お給料日前に残った金額を貯金する~といった方法で貯金を増やすことは難しいです。
残り(使える額、つまり生活費)を1週間単位orデイリーに分けてみる
②8万円の予算なら
*月~金 2000円 土・日 5000円 2000×5+5000×2 = 2万円
2万円×4週間=8万円 少しオーバーしますので調整が必要
*毎日2500円×30日=75000円 少し余裕があります
この目安で、一週間単位で調整します。ダイエットと同じで、食べ過ぎた(使い過ぎた)翌日はセーブするようにします。これまでの家計簿で、自分の消費のクセがわかった頃なので、それも盛り込みます。お給料日後は、女子会が多い~など。
③大きな出費の予定
「来年海外旅行に行きたい」「3年後にマンションを買いたいので頭金を作りたい」といった目的がある場合は、①の方法(先取り)を使い、目的別に積み立てることで着実に貯めることが出来ます。お金が無いから無理~諦めていたことにも手が届きます。
④Bさんのように使い過ぎを自覚していても止められない支出
エスカレートすると依存症になる恐れもあります。予算を作って、例えば一カ月1万円はOKというスタンスで趣味を楽しむと良いと思います。予算を使い切ったら、来月まで我慢。お誘いがあっても、断る勇気も必要です。