更新日: 2022.09.28 働き方

残業代の平均は月2万5000円! 業種別の残業時間とあわせて解説

残業代の平均は月2万5000円! 業種別の残業時間とあわせて解説
残業時間の長さには業種ごとにばらつきがあり、さらに近年では「働き方改革」の影響で短縮化などの変化もみられます。
 
時間外労働の上限規制が大企業で2019年から、中小企業では2020年から導入されるなどの一連の改革によって、業種ごとの残業代や残業時間はどのように変化したのでしょうか。
 
本記事では、1ヶ月当たりの残業代と残業時間を、働き方改革の前後で比較しながら解説していきます。

執筆者:石上ユウキ()

2018年の残業代は約2万7000円で残業時間は約14時間

時間外労働の上限規制によって、時間外労働を月間45時間または年間360時間未満に抑えなければ罰則(6ヶ月以下の懲役か30万円以下の罰金)が科されます。特別な事情で上限を超える場合でも、以下の項目を守らなければなりません(一部の項目は労使合意が必要)。

・時間外労働が年720時間以内
・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
・時間外労働と休日労働の合計について、「2ヶ月平均」「3ヶ月平均」「4ヶ月平均」「5ヶ月平均」「6ヶ月平均」が全て1月当たり80時間以内
・時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6ヶ月が限度

この上限規制は2019年に導入されました。2018年までは、残業時間と残業代はどのような水準にあったか、図表1で業種ごとに確認していきましょう。
 
【図表1 各業種の「一般労働者」における残業時間と残業代(2018年)】

図表1

 
2018年の残業代の平均は約2万7000円で、残業時間は14.4時間でした。次に、働き方改革が施行されて、残業代や残業時間はどう変わったかをみてみましょう。
 

働き方改革により残業代と所定外労働時間は減少

図表2に示す通り、残業代と時間外労働時間は2018年と比較して多くの業種で減少しています。とはいえ残業時間は全体平均で1.3時間ほどの縮小幅にとどまり、法改正の影響と断定できるほどの顕著な差とはいえません。
 
残業代の平均は約2万5000円と、働き方改革を推進する前年より約2000円減少しました。残業時間が減少したにも関わらず、残業代が上がった業種もあります。「医療福祉」と「不動産・物品賃貸業」です。
 
【図表2 各業種の「一般労働者」における残業時間と残業代(2022年5月)】

図表2

 

残業代の平均水準は減少している


 
2020年から2022年までの残業代は、平均して約2万4000円から約2万5000円で推移しています。残業時間の減少によって、残業代の平均額も少なくなりました。
 
働き方改革やワークライフバランスの重要性が引き続き叫ばれている中で、今後も残業代や残業時間がどのように変化していくかに注目しましょう。
 

出典

厚生労働省 時間外労働の上限規制わかりやすい解説
厚生労働省 毎月勤労統計調査 平成30年分結果確報
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年5月分結果確報
 
執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランナー

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