更新日: 2022.09.16 家計の見直し

待機電力はどのくらい節約できる?手軽な節電方法は?

待機電力はどのくらい節約できる?手軽な節電方法は?
家計の節約を試みる際に、最も取り組みやすい項目が電気料金の節約です。使わない家電製品の電源を切るのはもちろん、待機電力を節約するとどの程度の節約効果があるのか知りたい方もいるのではないでしょうか。
 
電気料金の節約だけではなく、最近では資源エネルギー庁から省エネ・節電の要請も出ることもあり、節電を行うことは社会貢献にもつながります。そこで本記事では、資源エネルギー庁の資料などを基に待機電力の節約効果を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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省エネにもつながる待機電力の節約!

 
待機電力とは、家電製品を使用していないときに、機能維持などのために消費される電力を指します。つまり、家電製品は作動していないがプラグをコンセントに差し込んだままである状態です。
 
2012年に省エネルギーセンターが調査報告した「待機時消費電力調査報告書」によると、家庭の消費電力量に占める待機時消費電力量の割合は図表1のとおりです。
 
【図表1】
 

消費電力量(年・世帯) 割合
機器使用による消費電力量 4204キロワットアワー 94.9%
待機時消費電力量 228キロワットアワー 5.1%

 
出典:環境省 資源エネルギー庁「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要」より筆者作成
 
図表1を参照すると、待機電力の消費電力量は世帯の年間消費電力総量の5%を占めていることが分かります。
 
次に、2017~2021年まで5年間の家庭用電灯平均単価の推移を図表2にまとめます。
 
【図表2】
 

年度 電気料金単価(1キロワットアワーあたり)
2017年 25.73円
2018年 27.23円
2019年 27.44円
2020年 25.82円
2021年 27.24円

 
出典:経済産業省 資源エネルギー庁「今後の小売政策について」より筆者作成
 
また、2017年度の環境省「2017年度の家庭のエネルギー事情を知る」によると、世帯あたりの年間消費電力量は4322キロワットアワーと報告されています。仮に、待機電力を全て節約して、年間の消費電力量から5%を削減できたとすると、2017年に待機電力を節約した場合の節約効果は以下のようになります。
 
・4322kWh(年間消費電力量)×5%(待機時消費電力量の割合)×25.73円(電気料金単価)=5560円
 

各家電の待機電力の節約方法

 
待機電力を節約しようと思っても、家中の家電のコンセントを常に抜いておくというのは非現実的です。
 
家電によっては、電源オフ状態で待機電力を消費しないものもありますので、節約を目的とするのであれば待機電力を消費しやすい家電に絞ったほうが効率的です。ここでは、主な家電で待機電力の節約方法を紹介します。
 

エアコン

  
エアコンは、リモコンで電源をオフにしていても、リモコン電波の受信待ちや温度設定のメモリーなどで待機電力を消費します。エアコンのコンセントは高い位置にあることも多く、頻繁に抜き差しするのが難しいですが、長時間使用しない場合にはコンセントを抜くことで待機電力を節約できます。
 
また、エアコンで節約を目指す場合、おやすみタイマーを活用するなど、1日1時間ずつでも使用時間を減らす工夫をすると効率的です。
 

テレビ

  
テレビはリモコンで電源オフにしている際にも待機電力を消費しています。テレビの電源をオフにする際には、リモコンで切るのではなく、主電源をオフにすれば待機電力を節約できます。なお、テレビゲームをした後など、テレビの電源を切り忘れてしまうケースは少なくありませんので、必ず電源がオフになっているか確認するようにしましょう。
 
また、画面を明るくくっきりと見せるダイナミックモードなどは消費電力が大きくなるので、できるだけ設定はオフにしましょう。画面の明るさは自動調整にしたほうが節電になります。
 

レコーダー

  
レコーダーも、テレビと同様にリモコンで電源を切るのではなく、主電源をオフにすれば待機電力を節約できます。ただし、待機電力の節約のためにレコーダーのコンセントを抜いておく場合、予約録画などは動作しませんので注意が必要です。
 
また、高速起動モードやクイックスタート機能を設定していると、待機時消費電力が大きくなるので、できるだけ設定はオフにしておいたほうがよいでしょう。さらに、時刻表示をオフ設定にすると省エネにつながります。
 

パソコン

  
パソコンの使用後、スムーズに起動させるためにスリープモードで終了している方も多いと思いますが、スリープモードでも待機電力を消費します。1日の終わりなど、パソコンを数時間触らないときには、スリープではなく電源をシャットダウンしておくようにしましょう。
 
なお、パソコン、プリンター、ファクシミリなどのOA機器で、「国際エネルギースターロゴ」のついているものは、待機している状態が一定の時間を経過すると、省エネモードに自動的に切り替わる機能があります。購入の際は、ぜひ気にしてみてください。
 

待機電力の節約は手軽にできる省エネアクション

 
家電製品の待機電力は、年間の世帯消費電力量の6%にのぼり、仮に全ての待機電力を節約できれば、2017年のデータからですが、年間約5500円の節約効果があることが分かりました。
 
待機電力をゼロにすることは非現実的ですが、テレビを主電源から切るなどの待機電力の節約は今日から取り組める省エネです。電力のひっ迫が叫ばれる昨今、節電を心がけることは、単なる家計節約ではなく社会貢献にもつながるアクションです。
 

出典

環境省 みんなで節電アクション! COOL CHOISE 家庭でできる節電アクション 待機電力を消滅!

環境省 資源エネルギー庁 平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要

経済産業省 資源エネルギー庁 今後の小売政策について

環境省 2017年度の家庭のエネルギー事情を知る

環境省 みんなで節電アクション! COOL CHOISE こまめにスイッチオフ!

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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