更新日: 2022.08.15 貯金

わが子に迷惑をかけない老後を目指すにはどのくらいの貯金があると安心?

わが子に迷惑をかけない老後を目指すにはどのくらいの貯金があると安心?
老後の生活において経済的な不安を感じている人も多いでしょう。特に子どもがいる場合、金銭面で子どもに迷惑はかけたくないですよね。いま働き盛りの人は、将来のためにどれくらい貯金しておけば安心して暮らせるのか知りたいのではないでしょうか。
 
そこで今回は、老後の生活では収入と支出がどのようになるのか、老後に備えるためにいくらくらいの貯金が必要なのか、詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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老後2000万円問題とは


令和元年、金融庁金融審議会の作業部会の1つ「市場ワーキング・グループ」が発表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書が大きな話題となりました。この報告書では、無職の高齢夫婦が生活する場合、年金を受給していても毎月約5万5000円の不足が生じ、そうした生活が20~30年続くと1300万~2000万円の不足額になる、と試算されました。これが「老後2000万円問題」と呼ばれるようになりました。
 
そもそもどうして毎月約5万5000円の不足が生じると試算されたのでしょうか。その根拠となっているのが、総務省が平成29年に行った「家計調査」です。この年の調査によると、無職の高齢夫婦の平均的な収入額は20万9198円、平均的な支出額は26万3717円とされています。その収支を計算すると、5万5000円ほどのマイナスになるわけです。
 

実際の不足額は収入と支出のバランスによる

ただし、この試算はあくまでも平均的な額だという点を忘れてはなりません。実際にはより多い収入がある人もいれば、より少ない支出ですむ人もいるでしょう。
 
とりわけ収入に関しては、夫婦が共に厚生年金に加入しているかそうでないかで大きく変わってきます。夫婦のどちらか、あるいは両方が厚生年金の被保険者でなかった場合、国民年金の受給額だけで毎月20万円以上にはなりません。
 
また、この家計調査では65歳以上の高齢者の94.2%が持ち家暮らしとされています。そのため、毎月の支出に家賃はほとんど含まれていません。住居が持ち家ではなく、ローンが残っている場合には、支出額はさらに増える可能性があります。
 
実生活において、いくら貯金が必要になるのかを知るためには、老後の収入と支出を前もって試算することが大切です。60歳で定年を迎えるのであれば、退職金はいくらくらいなのか、その後再就職するのであればどれくらいの収入を見込めるのか、個人年金に加入している場合は60歳からいくらくらい受給できるのかを計算しましょう。
 
65歳以降はそれらに加えて公的年金の受給額を加算できます。公的年金の受給額は日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」で確認しましょう。
 
次に、老後の支出額を計算します。老後だからといって、現在のライフスタイルや支出額が大きく変わるわけではありません。老後の生活において必要になるものとしては、生活費、医療費・介護費、冠婚葬祭費、住居のリフォーム代などが挙げられます。医療費や介護費については現在よりも多くなることを見越しておきましょう。
 
また、老後は余暇の時間が増えるので趣味にかける金額が多くなるかもしれません。一方、仕事上の付き合いや子どもの学費などが無くなることもあるでしょう。
 

まずは自身の収支をしっかり試算しよう!

老後の生活でどの程度の不足額が生じるのかは、人それぞれ異なります。誰でも必ず2000万円貯金しなければならない、というものではありません。実際、平成29年以降の家計調査を基に計算すると必要な貯金額は100万円以下になるという意見もあります。
 
まずは自身の生活における収支をしっかり試算することが老後の資金計画の第一歩です。その上で、もしも毎月収支がマイナスになるようであれば、その分をあらかじめ貯金しておく必要があるでしょう。
 

出典

金融庁金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
総務省 家計調査年報(家計収支編)平成29年(2017年) 家計の概要 II  世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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