更新日: 2022.08.14 貯金

50〜60代で貯蓄2000万円ある世帯はどれくらいいる?

50〜60代で貯蓄2000万円ある世帯はどれくらいいる?
2019年に金融庁の報告書で話題を集めた「老後2000万円問題」も記憶に新しく、老後までに2000万円の貯蓄を目標とされている方は多いのではないでしょうか。しかし、そのなかには50〜60代が間近に迫っているのに、貯蓄2000万円に届いておらずに焦っている方もいるでしょう。
 
そこで本記事では、金融広報中央委員会や総務省統計局が公開するデータを基に、50~60代で貯蓄が2000万円ある世帯の割合などを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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50~60代の貯蓄額の割合

金融広報中央委員会の情報サイト「知るぽると」に公開された、「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2021年)」によると、50・60代の貯蓄額別の割合は図表1のとおりです。
 
【図表1】

50代 60代
100万円未満 8.9% 6.4%
100~200万円未満 6.5% 4.8%
200~300万円未満 4.5% 3.4%
300~400万円未満 4.0% 3.3%
400~500万円未満 3.4% 2.6%
500~700万円未満 6.4% 5.9%
700~1000万円未満 6.3% 5.3%
1000~1500万円未満 8.0% 8.4%
1500~2000万円未満 5.7% 6.0%
2000~3000万円未満 6.6% 9.6%
3000万円以上 12.9% 22.8%
無回答 3.5% 2.6%

出典:金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)より筆者作成
 
図表1のデータから、50〜60代で貯蓄が2000万円以上ある方の割合は以下のとおりです。
 

・50代で貯蓄2000万円以上ある世帯:19.5%
・60代で貯蓄2000万円以上ある世帯:32.4%

 
50代では全体の2割弱、60代では約3割が貯蓄2000万円以上の世帯であることが分かります。50代と60代で差があるのは、単純に貯蓄期間が10年前後長くなることに加え、退職金などを貯蓄に充てている方がいることが理由として考えられます。

 

貯蓄2000万円ある世帯の収入や資産の内訳は?

上記で50代では2割弱、60代では約3割の方が貯蓄2000万円以上を達成していることが分かりました。しかし、50〜60代では貯蓄が2000万円未満の方が多数派であるとはいえ、老後資金に余裕をもつためには可能なかぎり貯蓄額を増やしておきたいことには変わりがありません。
 
ここでは、貯蓄が2000万円以上ある方の収入や、資産の内訳についてのデータを紹介します。貯蓄額を増やすための目安として活用してください。

 

収入階層別貯蓄額の現在高

ここでは、総務省統計局の公開する2021年のデータから、2人以上の世帯のうち、勤労者世帯の年間収入別貯蓄額の違いを図表2にまとめます。
 
【図表2】

年間収入 貯蓄現在高
463万円未満 789万円
463~606万円未満 995万円
606~759万円未満 1191万円
759~982万円未満 1632万円
982万円以上 2664万円

出典:総務省統計局 Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況より筆者作成
 
勤労者世帯においては、年間収入が高くなるほど貯蓄額も高くなる傾向があり、年間収入982万円以上の世帯では平均して2000万円以上の貯蓄を保有しています。
 
ただし、退職金が1000万円前後見込めるようなら、現役時代に貯蓄1000万円を超えておけば60代で貯蓄2000万円を達成できます。したがって、年間収入が低いからといって50〜60代で貯蓄2000万円が不可能というわけではありません。

 

貯蓄2000万円以上の方の資産の内訳

ここでは、総務省統計局の公開する2021年のデータから、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の貯蓄現在高別に貯蓄資産の内訳を図表3にまとめます。
 
【図表3】

貯蓄現在高 280万円未満 280~726万円 726~1447万円 1447~2924万円 2924万円以上
通貨性預貯金 60.6% 46.5% 37.3% 33.6% 27.2%
定期性預貯金 18.2% 26.1% 31.5% 33.7% 33.4%
生命保険など 17.2% 21.0% 22.6% 20.6% 17.5%
有価証券 2.0% 4.5% 6.5% 10.2% 20.6%
金融機関外 1.0% 1.8% 2.1% 1.9% 1.3%

出典:総務省統計局 Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況より筆者作成
 
図表3から、貯蓄額の少ない方は通貨性預貯金(普通預金)の割合が高く、貯蓄額が多くなるにつれて有価証券の割合が高くなっていることが分かります。
 
貯蓄額に余裕のない世帯では、出し入れの自由な通貨性預貯金に貯蓄を回し、十分な貯蓄ができている世帯は投資性の高い資産に割り振っている傾向が分かります。

 

老後には余裕ある資金を用意しよう

50〜60代で貯蓄2000万円以上ある世帯は全体の2〜3割と、貯蓄2000万円未満の方の割合のほうが多くなっています。また、データから、年収が高いほど貯蓄2000万円を達成しやすく、貯蓄額が高い方ほど投資性の高い資産に貯蓄していることが分かりました。
 
老後2000万円問題は老後の収入によっても異なりますので、必ずしも老後資金として2000万円ないと破綻するわけではありませんが、老後に余裕の資金を用意しておきたいのは間違いありません。

 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 各種分類別データ
総務省統計局 Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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