更新日: 2022.07.30 貯金
私たちの親世代の貯蓄額や退職金の使いみちは? 還暦を迎える世代のマネー事情
2022年に還暦を迎える1962年生まれの男女2000名の調査結果をまとめた、PGF生命の発表(※)を見てみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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親世代の平均貯蓄額は増えているものの……。カツカツな人がまだ多数
貯蓄格差という厳しい現実。年齢を重ねれば重ねるほど、老後のための貯蓄が気になってしまうものです。実際、私たちの親世代はどれくらい貯蓄をしているのでしょうか。
この調査によると、平均貯蓄額は3122万円とのこと。前年から100万円近く増えているということで、近年シニアも貯め込む傾向にあるのでしょう。
2018年の調査では、平均貯蓄額は2700万円台。この4年で平均貯蓄額が400万円ほどアップしているという背景には、やはり近年の不安定な世界情勢が関係しているのかもしれません。
ただ、貯蓄額の分布を見てみると、もっとも多かったのは「100万円未満」で23%。そこから「500〜1,000万円未満」(およそ13%)、「1,000〜1,500万円未満」(およそ10%)と続くものの、貯蓄額が500万円未満の合計はおよそ4割という結果に。貯めている人は貯めているけれど、ない人はないという、まさに貯蓄格差が如実にあらわれた状況になりました。
ちなみに、これから生活していくにあたりひと月あたり最低いくら必要かという質問については、回答を平均するとおよそ18万7000円ということに。
ゆとりのある生活を送るために必要な金額となると、平均金額はおよそ27万円までアップ。間を取って22、3万円ほどあれば、老後の生活を苦しくない範囲で過ごせると考えている人が多いのかもしれません。
貯める?パーッと使う?気になる退職金の使いみち
親が退職金をどのように使うのか、聞きにくいことではありますがやっぱり気になってしまうもの。退職金を受け取る予定がある人(777名)にその使いみちを聞いてみると、1位は「預貯金」でおよそ7割。2位は「投資」でおよそ2割。3位は「国内旅行」でおよそ16%でした。(複数回答)
多くの人が貯蓄にあてると回答しています。できる限り貯めて、ちょっとは使う……という人も少なくなさそうですね。投資もお金を増やすことにつながりますし、退職金についてはパーッと使うというより貯めたり増やしたりという考えの人のほうが圧倒的に多いことがわかりました。親世代を思う立場としては、少し安心ですよね。
また、何歳まで働きたいかについて、65歳以上と回答した人が全体のおよそ8割を占めました。さらに70歳を過ぎても働きたいという人は、全体のおよそ4割近くにものぼります。働く理由としてはお金が必要だということはもちろん、社会とつながりを持ち続けたかったり、生活にメリハリをつけたかったり、認知症防止だったり……など、さまざまな理由が考えられそうですね。
いずれにせよ、現役志向が強く、まだバリバリ働ける還暦世代が多いということが伝わる結果となりました。
子や孫への金銭的援助について、還暦世代はどう考えている?
先ほどの退職金の使いみちに、子・孫へのプレゼントや子・孫の結婚資金と回答した人は、合計しても1割にも達しませんでした。子や孫への金銭的援助について、いまの還暦世代はどのように考えているのでしょうか。
子の住宅購入資金への援助については、してもいいと考えている人がおよそ40%。孫の教育資金への援助については、してもいいと考えている人がおよそ43%という結果に。いずれについてもその気がない層のほうが多いものの、金銭的援助を前向きに検討している人も少なくないことがわかります。
具体的にいくらくらい援助をしようと考えているかというと、住宅購入資金については「500〜1,000万円未満」がおよそ23%。「100〜200万円未満」がおよそ20%、そして「1,000〜1,500万円未満」がおよそ17%と続きます。平均援助額はおよそ1,600万円でした。
いっぽうで孫の教育資金については「100〜200万円未満」がおよそ27%、「100万円未満」がおよそ18%、「500〜1,000万円未満」がおよそ16%でした。平均援助額はおよそ1,200万円。住宅購入費用についてはもちろんのこと、子どもの教育費の捻出もなかなか厳しいこのご時世。親から少しでも援助してもらえると、非常に助かりますよね。
いずれ子どもが大きくなり自分が還暦世代になったとき、同じように援助できるような金銭的余裕があるのか……。先行きが不透明ないまの時代、なかなかシミュレーションも難しいもの。お金の使い方や老後の生活について親と話をする機会を設けるのも、今後のためになりそうですね。
出典
※PGF生命調べ「2022年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部