更新日: 2022.07.26 家計の見直し

2022年上半期、お金は貯まった? 家計の見直しをしてみよう

2022年上半期、お金は貯まった? 家計の見直しをしてみよう
2022年が始まって半年以上が過ぎました。ここで一度、家計を見直してみませんか? 
 
1~6月まで、家計の収支がどのように動いたのかを確認しましょう。FPが家計見直しのポイントをお伝えします。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

わが家の通信簿をみてみよう

今年も折り返し地点を過ぎました。“家計の収支を確認するとともに、自分のお金の使い方を知ろう”というのが今回のテーマです。
 
順調に管理ができているのならOKですし、ダメな場合でも、その原因を見つけて修正することで挽回は可能です。
 
無駄遣いの洗い出しだけでなく、値上げラッシュの影響で、年末に「しまった!」と後悔しないための防御策としても、効果を発揮するかもしれません。
 
「家計の収支はどうなっていますか?」と聞かれて、即答できる家庭はかなり優秀だと思います。実際には「家計簿をつけていないし、収支といわれても分からない」という場合が多いので、まずは銀行預金の残高がどうなっているかをみてみましょう。
 
年始の残高と6月末の残高を比べます。複数の銀行口座があれば、すべてを書き出してみます。
 
投資信託や貯蓄型の保険で積み立てている場合などは、それらも含めて一覧表にしてみると、金融資産一覧表の役割も果たします。まるで通信簿のように数字を見える化できます。
 
【図表1】

 
さて、自己採点はいかがですか? 年始の目標設定の半分を達成できていたでしょうか。
 
1~6月は行事の多い時期です。お正月、年度替わり、大型連休などで出費がかさみ、予定どおりの貯蓄が進まなかった場合もあるかもしれません。
 

貯蓄ができなかった原因を分析する

思うほど貯蓄できなかった、貯蓄どころか収支はマイナス、という場合は、その原因について探ることが必要です。
 
まず考えられる原因は、大型の出費や思いがけない出費があった場合です。
 
先に書いたように、行事の多い上半期です。冠婚葬祭などのお付き合いがあった、想定外の出費があった、という場合は原因が明らかです。入学式用に準備をしていたが思っていた予算より膨らんだ、といった場合もあるはずです。
 
この誤算は、今後の予算をたてる場合に生かすことが重要です。
 
毎月の貯蓄を少しずつ増やしたり、ボーナスで補てんしたりするなど、年末の貯蓄目標に向けて計画の練り直しを試みましょう。まだ半年近くありますので、諦めることはありません。
 
「思い当たる出費はなかったのに、なぜか貯金は増えていない」といった原因不明の場合は、お金の使い方の見直しが必要です。
 
一般的に考えると、今年前半の支出は、コロナ禍での生活が続いていますので派手ではないと考えられます。旅行に出掛けたとしても、近場で短期間だった方もいらっしゃるでしょう。
 
貯金ができなかった原因の1つとして、派手に使わない分、プチぜいたくの常習化が原因ではないかと考えられます。
 
例えば、高級食パンブーム。「在宅が増えたので、たまにはリッチな食パンで朝食を楽しみたい」というコンセプトから始まったかもしれません。最初は行列に並んで買う「特別感」がありましたが、扱う店舗が増えて購入の機会が増えると、日常的に購入する人も増えたかもしれません。
 
「ぜいたくしているわけでもないのに、お金が貯まらない」という人は、このようなプチぜいたく症候群にはまっている可能性を考えてみましょう。プチぜいたくも日常化すると満足感は薄れます。
 
今回の家計の見直しを、このような状況から抜け出すきっかけにしましょう。確実に貯金を増やすためには、生活レベルを元に戻す必要があります。ここで有効なのは、やはり先取貯金です。
 
少ない予算しかなければ、それに見合った生活費で過ごすことになります。今月使えるお金を明確にすれば、その範囲でメリハリのきいた使い方ができます。
 
常に節約を強いることはありませんが、財布のひもを締める自覚は必要です。
 

先取り預金ができている人も、残高表で確認がお勧め

Aさんご夫妻は共に30代の会社員、4歳の女の子がいます。1ヶ月に8万円の貯金をしていて、それ以外に学資保険や貯蓄型の生命保険にも加入されています。1ヶ月の収支内容をしっかり管理されている、とても優秀な印象を受けました。
 
ところが「毎月8万円の貯金なら、1年で100万円近くになりますね」と確認すると、意外な答えが返ってきました。
 
先取貯金がよいというので、いったんは口座に入れているものの、年払いの保険料や不定期に支払いの生じるもろもろの費用は、その口座から出金しているとのことでした。
 
残念ながら、これでは家計管理ができているとは言い難いです。
 
そこで8万円の先取貯金を、2つの口座に分けることを提案しました。(1)積み立て専用の口座と、(2)不定期支出に備える口座です。(1)の口座には手を付けないと決めることで、残高の管理がしやすくなります。
 
共働き家庭が増え、1つのお財布で家計を管理しないという家庭も増えていることが予想されます。加えてキャッシュレスが進み、お金の流れが多様化しています。
 
半年に一度の金融資産の棚卸しは、家計状況を家族で共有する上でも大切ではないでしょうか。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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