更新日: 2022.06.01 家計の見直し
【家計相談】結婚しました! 生活費や貯蓄など、家計プランの立て方を教えてください
生活費や貯蓄などどのように考えたらよいか、FPがアドバイスします。
執筆者:宮野真弓(みやのまゆみ)
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
子育てファミリーや妊活カップルのライフプランニングを中心に活動しています。
結婚や妊活、出産、住宅購入など人生のターニングポイントにおけるお悩みに対して、お金の専門家としての知識だけでなく、不妊治療、育児、転職、起業など、自身のさまざまな経験を活かし、アドバイスさせていただきます。
https://fpoffice-minoria.jimdo.com/
新婚夫婦が家計管理について考える前にするべきこと
独身時代は自分の給料を自由に使うことができましたが、結婚すると家庭の中でお金をどう使うのかを考えなければなりません。独身時代の延長でお互いがお金を使いたいように使っていると、ケンカになってしまったり、本当に必要な時にお金が足りなくなってしまったりする恐れもあります。
お互いが納得し、豊かな生活を送るためにも、家計管理は重要です。新婚夫婦が家計管理について話し合う前に、しておいたほうがよいことが2つあります。
1.お互いの収入と貯蓄額を開示する
お金の話は切り出しにくいかもしれませんが、後回しにすればするほど話しにくくなってしまいます。お互いの貯蓄額がわかれば、いざというときに慌てなくてすみ、余計なトラブルを防ぐことができます。
また、奨学金やローンなどの負債についてもしっかりと確認しておきましょう。新婚だからこそ、早いうちにお互いの給料や貯蓄額を確認し、家計の全体像をつかむことが大切です。
2.将来のライフプランを立てる
いきなりお金の話をするのは難しいという場合は、「将来子どもは2人ほしい」「いずれはマイホームを購入したい」など、将来のライフプランについての話をきっかけにするのがおすすめです。
将来の夢を実現するためにはどれくらいのペースで貯蓄をする必要があるのかなど、楽しい話題から自然とお金の話ができます。未来の自分たちのために前向きに家計管理を考えましょう。
家計管理は夫婦のタイプに合わせて
家計管理の方法は家庭によってさまざまですが、大きく分けると次の3パターンがあります。
1.家計を完全に一本化する
お互いの収入や貯蓄を一本化し、自分たちの小遣いも家計の中から受け取る方法です。従来型の夫婦、つまりどちらか一方が家計を管理し、もう一方がお小遣い制というのもこのタイプに分類されます。
収支を把握しやすく、計画的な貯蓄をしやすいというメリットがありますが、一方に家計管理の負担が偏る、お小遣いをもらう側が不満をもちやすく家計管理への関心が薄くなりがちであるというデメリットもあります。
家計管理を一本化する場合は、定期的に支出額や貯蓄額を2人で共有し、見直すことが大切です。
2.費目別に分担する
家賃や駐車場代、水道光熱費や食費などの費目ごとに分担を決める方法です。担当する支払い以外のお金はそれぞれが自由に管理することができるので、ストレスがたまりにくい点がメリットです。
その一方で、分担に偏りがあると不満が出やすい点や、家計の全体像を把握しにくい点、小遣いが増えやすく貯蓄額が増えにくい点などのデメリットがあります。
費目別に分担する場合は、定期的に収支や貯蓄額を確認しあったり、共通の貯蓄口座を作ったりするなどの工夫が必要です。
また、妊娠・出産で収入が減ったり、子どもの成長に伴い食費が増えたりと、収入も支出も変化していきますので、負担する項目は随時見直しましょう。
3.共通口座を作る
家計用の共通口座を作り、それぞれの収入から毎月決まった額を入金し、その口座内で生活費をやりくりする方法です。
家計の負担に偏りが出にくく、支出の総額や内訳を把握しやすいというメリットがあります。共通口座に入れた残りのお金は自由に使えるため不満が出にくい方法ですが、貯蓄計画もしっかりと立てておかないと小遣いとしての支出が増えがちです。
共通口座を作って管理する場合は、それぞれの入金額を収入の比率と合わせることで負担の偏りを防ぎましょう。また、同じ比率で貯蓄をする方法も有効です。
以上、3つの方法をご紹介しましたが、どの方法であっても夫婦で家計の状況を共有することが大切です。そこで便利なのが家計簿アプリです。
夫婦で共有できるものも多く、金融機関の口座やクレジットカードなどと連携することで支出が自動的に入力される、レシートを読み込む機能がある、設定した予算をオーバーしそうになると通知がくるなど、忙しい中で家計管理をする人に便利な機能がついたものもあります。
ぜひ自分たちに合うものを探してみてください。
先取り貯蓄で貯めグセをつけよう
どの方法で家計を管理するとしても、貯蓄の計画を立てることはとても重要です。余ったお金を貯蓄にまわそうと思っているとなかなか貯まらないものです。
そこで、給料が入ったらまず貯蓄口座に一定額を移してしまう「先取り貯蓄」が有効です。会社によっては給与の振込先を複数指定できる場合があるので、一定額を別口座に振り込んでもらうと確実です。
また、会社の財形貯蓄制度を利用したり、金融機関で自動積立や自動送金の申し込みをしたりするなど、自動的に貯蓄できる仕組みを作ると手間をかけずに貯蓄ができます。
貯蓄の目安は、まずはいざというときの予備費として生活費の半年分、それが貯まれば1年分を目指して貯蓄をしましょう。
また、住宅購入などのライフプランに照らし合わせて、いつまでにいくら必要なのかを夫婦で話し合い、予備費とは別に目的ごとに貯蓄をしていきましょう。家計管理は夫婦の夢をかなえるための手段です。夫婦でしっかりと話し合い、家族の未来に向けた準備を始めましょう。
執筆者:宮野真弓
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者