更新日: 2022.05.20 働き方

明日から「家内労働旬間」! 内職をするなら知っておきたい3つのこと

明日から「家内労働旬間」! 内職をするなら知っておきたい3つのこと
家内労働とはメーカーや問屋などから委託を受けて自宅で品物の製造や加工を行い、それに対して工賃の支払いを受ける仕事をいいます。この労働に従事する人を「家内労働者」、部品や原材料を提供して仕事を依頼する人を「委託者」と呼びます。
 
毎年5月21日~31日は「家内労働旬間」です。そこで家内労働者を守るための、家内労働法の要点をご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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家内労働法とは?

家内労働法とは「家内労働者」および「委託者」の定義を定め、家内労働者の労働条件の向上と生活の安定を図るために家内労働者に関する基本的な事項を定めた法律です。
 
具体的には、「家内労働手帳について」「工賃支払いの確保」「最低工賃」「安全衛生の措置」などが提示されています。定められた労働条件は最低基準のため、この法律を理由に労働条件を引き下げることはできません。
 
「補助者」についても定義されており、家内労働者と同居し家内労働を手伝っている親族になります。家で仕事をしたとしても、個人的に編み物や仕立てを頼まれた場合は家内労働には含まれません。
 

家内労働手帳は交付されていますか?

家内労働手帳は家内労働法によって、委託者が家内労働者に交付することが定められています。
 
この手帳の目的は、委託者と家内労働者の紛争を避けることです。委託者は家内労働手帳を、最初の委託の原材料などの受け渡しのときまでに交付しなければなりません。この手帳には、工賃の支払い方法や委託の条件などが書かれています。
 
委託者は原材料の受け渡しのつど、委託業務の内容や工賃単価、工賃の支払期日、納品の期日を記入して家内労働者に渡します。品物の受け渡しの際には、支払い年月日と支払工賃額を記入する必要があります。いつものことだからとおろそかにせず、家内労働手帳にこれらの記載があることを必ず確認しましょう。
 

工賃の支払い方法は?

家内労働法は、工賃の支払いについても定めています。
 
工賃は、全額を現金で支払うのが原則です。受け渡し場所についても原材料や製品と同様、家内労働者の作業場所と決められています。家内労働者の同意があるときのみ、郵便為替での支払いや銀行口座への振り込みなどが認められます。
 
委託者は、品物を受領した日から1ヶ月以内に工賃を支払わなければなりません。毎月一定の日が工賃締め切り日となっている場合は、締め切り日までに受け取ったすべての品物の工賃を1ヶ月以内に支払うことが原則です。
 
最低工賃は、ある品物についての一定単位の工賃の最低額です。最低工賃を決めることで、家内労働者が極端に低い工賃で委託を受けることを防ぎます。厚生労働大臣や都道府県労働局長が決定し、最低工賃より低い賃金の場合にはその取り決めは無効となります。委託者は、最低工賃以上の賃金を支払わなければなりません。
 

家内労働法が守られているかを確認しましょう

家内労働法は、昭和45年に制定されました。それを記念して毎年行われているのが「家内労働旬間」です。
 
家内労働法では紹介した以外にも、委託の打ち切りの予告や就業時間などについても定めています。家内労働について相談したい場合は、近くの労働基準局や労働基準監督署で受けつけています。不審なことや心配事は、気兼ねなく尋ねてみましょう。
 

出典

厚生労働省 家内労働について
厚生労働省 東京労働局 家内労働法のあらまし
山梨県都留市広報H4.5.1家内労働旬間
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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