更新日: 2022.04.14 貯金
30代の単身世帯の平均貯金額と中央値はいくら?
30代では、結婚して子どもがいる世帯もあれば、子どものいない共働き世帯、単身世帯もあります。また子どもがいない共働き世帯だと、家計の収支にいくぶん余裕があることも想定されます。
では、実際に30代単身世帯の平均貯金額と中央値は、いくらくらいなのでしょうか? また、2人以上の世帯との違いもみていきましょう。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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30代単身世帯の平均貯蓄額と中央値
金融広報委員会が発表している「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」によると、30代の単身世帯の平均貯蓄額は965万円です。
それに対し、中央値は294万円となっており、平均貯蓄額よりも少ない額です。中央値とは、そのデータの真ん中に位置する値であり、貯金額が広い範囲に分布していることが分かります。
ちなみに30代の単身世帯のうち、貯蓄額の割合がもっとも多いのは100万円未満で、全体の28.1%を占めています。次いで多いのが100万~200万円で、全体に占める割合は11.4%です。
その次に位置している層は700万~1000万円で、全体の11%を占めており、次いで200万~300万円が9.2 %の割合で存在します。
貯蓄額の二極化がみられることが分かります。
(参照:金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」シート3)
■30代単身世帯はどのように金融資産を保有している
では、30代単身世帯の種類別金融商品保有額をみていきましょう。30代単身世帯の種類別金融保有額は図表1のとおりとなっています。
図表1
(参照:金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」シート5)
預貯金の割合がもっとも多く、次いで株式の割合が高くなっています。投資信託の保有も多く、運用への興味が強まってきていることの表れといえるでしょう。
また、1年前に比べて保有している金融資産が増えたと回答している割合が全体の49.6%となっており、その理由として「定例的な収入の増加」以外に「定例的な収入から貯蓄する割合を引き上げたから」「配当や金利収入」「株価の上昇」など、貯蓄への意識の高さや、運用実績が影響している点も見逃せません。
(参照:金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」シート14・16)
30代2人以上世帯との比較
では、単身世帯ではなく2人以上の世帯ではどのようになっているのでしょうか。
■平均貯蓄額と中央値
30代で2人以上世帯の平均貯蓄額は986万円、中央値は400万円です。
最も多いのが100万円未満で全体の14.9%を占めており、次いで100万~200万円の層が12.9%、その次が500万~700万円の12.1%となっており、平均貯蓄額よりも低い貯蓄額の割合が多いことを鑑みると、単身世帯と同じく、貯蓄額が二極化していると考えられます。
(参照:金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」シート3)
また、種類別の資産保有額は図表2のとおりです。
図表2
(参照:金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」シート0005)
生命保険での保有額が多くなっている点が単身世帯と異なる点です。
30代の2人以上世帯でも、子どものいる世帯といない世帯、さらに共働きかどうかで保有している金融資産額は異なります。ただ、最近では子どもを産んでも仕事を続けることができる環境が整ってきていることからも、出産後も仕事を続ける夫婦が増えているのも事実です。
まとめ
30代の単身世帯、そして2人以上の世帯を比較すると、2人以上の世帯に比べて単身世帯は、生命保険や損害保険など、日常のリスクに備える保険の保有額が少ないことが読み取れます。30代は、まだこれからのライフプランが確定していないケースも多く、結婚を機に子育て資金や住宅購入資金などを考えなければならない人も出てくるでしょう。
もちろん、早くから資産形成に取り組むことで、それらの資金に充てるともできますが、単身世帯で関心の高い株式投資を行うならば、NISAの制度を有効活用することも考えましょう。
また、30代の単身世帯の、金融資産保有目的の最も大きなものは老後の生活資金への備えで、全体の48.7%と半分近くを占めています。そして僅差で続くのが、病気や不時の災害への備えを目的としているもので、47.8%を占めています(複数回答)。
(参照:金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」シート18)
老後資金の確保であればiDeCoなどを活用するとよいですし、病気や災害については自分に見合った生命保険の活用を考えるとともに、定期的に見直すことも大切です。資産形成に運用を上手に取り入れ、順調に保有資産が増えていくよう取り組んでいきましょう。
出典
金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員