更新日: 2024.10.07 家計の見直し
スーパーの割引シールが貼られるのを待つ「シールハンター」この行動が家計に何をもたらすのか
そして、その割引シール目当てに買い物に来る人を、筆者は人知れず「シールハンター」と呼んでいます。
最近は海外のスーパーでも一般化しているシール買いですが、この行動は本当に家計にプラスなのかマイナスなのか考えてみましょう。
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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店側からすればシールハンターはありがたい存在
シールハンターの目的は、まさにシール商品の獲得ですから、開店直後や昼間ではなく、夕方から夜になります。
店側としては、たとえ値下げしてもその日のうちに売り切ってしまわなければならない商品を、消費してくれるシールハンターはありがたい存在です。さらに、彼らがシール以外の商品を追加で購入してくれれば、なおよし! ということになります。
シールハンティングで家計にプラスのつもりが…
こういった店側の思惑にそのまま乗る「いい消費者」で終わってしまう場合は、家計にプラスとなる行動にはつながっていません。
なぜなら、この場合の消費者は主体的に行動しているとは言いがたいからです。いつもと違う魅力的な陳列に乗せられて、今、家にある調味料の二度買いをしていませんか。
「安く買ったから、別にいいや」と気が大きくなってあれもこれもと、食べきれない分量を買い物カゴに入れてしまう。あるいは栄養的に問題のある組み合わせになるような商品を併せて買ったりしていませんか?
これは、衣料品店でカットソーを2枚買うと3枚目は1000円という広告に乗せられて、不必要な洋服を買いあさってしまうのと同じです。
家計にプラスとなるシールハンティングには上限設定が必須
一方で、シールハンターとして買い物に行くとしても「必要でないものは絶対に買わない。シール商品でも、いくらまで」と、あらかじめ購入枠を設定している場合は家計にプラスになるでしょう。
知らず知らずのうちに、設定していた上限を柔軟に動かすことはNGです。
その結果、たとえ狙っていた商品が思惑どおりの割引率で手に入らないのであれば、そのときは潔く退散するか、代替品で賄うかどちらかの選択肢になります。こんなときも、必ず上限突破はしないように決めておきましょう。
以前にもお伝えしましたが、再度この一文を記します。「どんなに安くても買ったら出費あり。買わなければ出費はゼロ」です。
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表