更新日: 2024.10.07 その他家計
電気代を払い忘れたらブラックリストに載ってしまう?
一人暮らしでよくあるのが、水道代や電気代などの公共料金の払い忘れです。特に公共料金を振込用紙で支払っていたり、引き落としの口座を給与口座と分けていると忘れてしまうケースが多いようです。
クレジットカードなどは滞納を続けると、ブラックリストに載ってなかなかローンが組めなくなるといった話も聞きます。
もし公共料金の支払いをうっかり忘れてしまったら、同じようにブラックリストに載ってしまうのでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
弁護士
開成高校卒、東京大学法学部卒。弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動。どんな相談に対しても「わからない」とは言わないことをスタンスに、日々クライアントのために奮闘中。
【東京桜橋法律事務所】
目次
そもそも「ブラックリスト」とは?
金融業界におけるいわゆる「ブラックリスト」とは、「信用情報機関」にクレジットカードやローン返済の滞納、破産などの事故情報(ブラック情報)が登録されている状況のことをいいます。誤解している人も多くいますが、厳密にはブラックリストというものがあるわけではありません。
クレジットカードを申し込むと、信用情報機関はどう関わる?
信用情報機関は複数あり、銀行系や信販会社系などがあります。
例えば、ある信用情報機関には、信販会社、クレジットカード会社、住宅ローン会社、貸金業者など、約750社が会員として登録しています。
消費者がその信用情報機関に加盟しているクレジットカード会社にクレジットカードを申し込むと、そのクレジットカード会社は信用情報機関に照会をかけます。そうすると、信用情報機関からクレジットカード会社に申込者の信用情報の回答が届きます。それを審査の材料として、審査が通ればクレジットカードが発行されるという仕組みです。
信用情報機関同士の交流により、個人の情報が与信審査に活用される
それぞれの信用情報機関では相互に個人の情報を利用しあっています。その情報とは、各信用情報機関が保有する信用情報のうち、延滞などの情報、紛失・盗難・同姓同名の別人に関わる本人申告のコメント情報などです。
また、賃金業法において、指定信用情報機関が複数存在する場合は、貸金業者の総貸付残高を正確に把握するために、相互に残高情報などの交流を行うことが義務付けられています。
この交流による情報は与信審査に活用され、より精度の高い審査が行われるということです。
「延滞」の中には公共料金は含まない!携帯電話や奨学金は対象に
信用情報機関にもよりますが、事故情報として残る内容は、延滞、自己破産、任意整理、特定調停、個人再生などです。
延滞の中に公共料金は含みませんが、クレジットカードやカードローンの返済情報のほか、携帯電話料金や奨学金なども対象になります。これらの延滞があるとローンが組みにくくなることもあるので、注意が必要です。
延滞をしていないにも関わらず、延滞の情報が記載されているなど、事故情報が誤って載ってしまった場合は削除申請が可能です。ただし、基本的には載ってしまった情報の削除は簡単ではありません。
支払いを忘れると延滞金が発生したり、ライフラインが止められることも
公共料金の払い忘れは事故情報としては載らないものの、延滞料金が発生したり、ライフラインが止められてしまうこともあるので注意しましょう。
また、クレジットカードやローン以外にも、携帯電話料金や奨学金の延滞が信用情報機関に載るというのは知らない人も多かったのではないでしょうか。公共料金と同じく、携帯電話料金も忘れがちな支払いのひとつですよね。
どうしても支払いを忘れてしまうという人は、給与口座から引き落としにするのがおすすめです。
TEXT:ファイナンシャルフィールド編集部
監修:豊田 賢治 (とよた けんじ)弁護士
東京桜橋法律事務所 所長 http://tksb.jp/
弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。
現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動