更新日: 2021.12.25 貯金

30代夫婦は教育費を毎月いくら貯金してる?

30代夫婦は教育費を毎月いくら貯金してる?
わが子の将来のために、しっかりとした備えを用意しておいてあげたい―。それは誰もが抱く親心ではないでしょうか。
 
こどもの夢をかなえるために、まず必要となるのが教育資金。育ち盛りのお子さんを多くお持ちの30代には、特に気になるテーマです。
 
同世代のご夫婦が毎月どれくらい貯めているのか、気になる点を探ってみます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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30代のふところ事情は?

30代といえば、結婚、出産、マイホーム取得など、人生の大きな転換点を迎える節目の世代。こどもの教育費だけに限らず、何かと支出もかさみがちな年代です。厚生労働省が行った2019年「国民生活基礎調査」によれば、30代の平均貯蓄額は約530万円で平均借入金額は約1071万円。ローンを組みながら貯蓄にいそしむ30代の姿が浮かんできます。
 
どういう目的で貯蓄をするかに関しては、金融広報中央委員会が全世代を対象に行った2020年度「家計の金融行動に関する世論調査」がありますが、それによると最も多かった目的が「老後の生活資金」(70.0%)、次いで「病気や不時の災害への備え」(60.9%)、そのあとに「こどもの教育資金」(30.4%)と続いています。
 
年代別でみると、50~70 代では「老後の生活資金」のウェイトが高くなっていますが、20~40代では「こどもの教育資金」の割合が最も高くなっています。中でも特に30代は、78.8%が貯蓄の目的にこどもの教育資金をあげており、調査世代の中で最も高い割合を占めました。
 

そもそも教育資金ってどれくらい必要なの?

こどもを持つ30代のご夫婦にとって、教育資金への関心がとても高いことがわかりましたが、そもそも教育資金はいくら必要なのでしょうか。
 
各種統計資料から推計した結果、公立学校と私立学校別の教育資金の総額は、およそ以下のようになります。(資料は文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」・日本政策金融公庫令和2年度「教育費負担の実態調査結果」)
 
●幼稚園から大学まですべて公立に通わせた場合(合計約1081万円)
小学校6年間193万円・中学校3年間147万円・高校3年間137万円・大学4年間537万円
 
●幼稚園から大学まですべて私立に通わせた場合(合計約2535万円)
幼稚園3年間158万円・小学校6年間959万円・中学校3年間422万円・高校3年間291万円・大学4年間705万円(文系)
 
このようにして見ると、こども一人を大学まで卒業させるためには約1000万円が必要となり、幼稚園から大学まで、すべて私立で通した場合は、公立だけの場合と比較して倍以上の開きがうまれることがわかります。
 

30代の夫婦は、教育費にどれだけ貯金しているの?

では、いったい30代のご夫婦はいくら教育費を貯金してるのでしょうか。東証1部上場の松井証券株式会社が小学生未満のこどもがいる共働き世帯や夫婦の全国の20-50代の男女・合計700名を対象に行った令和3年の調査があります。
 
これによれば、「お子さまのための教育費用の貯蓄の有無、さらに1ヵ月あたり平均でいくら貯蓄をしているか」という問いに対して、78.0%が「貯蓄をしている」と回答。貯蓄額は全体平均で「月3.9万円」で、こどもの年齢区分でみると「3歳未満が月4.6万円」、「3歳以上6歳未満が月2.9万円」、「6歳以上12歳未満が月3.7万円」(平均値)となって、3歳未満のこどもがいる世帯の貯蓄額が最も高いという結果になりました。
 
さらに、「いつから教育費用を貯蓄しているのか」との質問には「妊娠がわかったときから」(15.6%)、「入籍したときから」(16.2%)をおさえ、「子どもが誕生してから」(56.2%)が最も多くなりました。
 
厚生労働省令和元年の人口動態統計月報年計によれば、令和元年の第1子出生時の母の平均年齢は、30.7歳となっていますので、半数以上が教育費を貯め始める30代の貯金額は、3歳未満のこどもで月4.6万円、3歳以上6歳未満のこどもで月2.9万円、6歳以上12歳未満のこどもで月3.7万円というのが一つの目安となるようです。
 

教育費の貯金スタートは30代を視野に

結婚、出産、マイホーム取得など、30代はライフステージに大きな変化を迎える世代です。生まれてくるお子さんの将来のために、責任ある第一歩を踏み出す年代でもあります。
 
金銭的には十分な余裕があるとは言い切れないかもしれませんが、大学を卒業するまで、一人約1000万円が必要な現実に備え、無理のない資金計画を、できるだけ早期に立てるのがよいのではないでしょうか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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