更新日: 2021.09.14 家計の見直し

毎月赤字で貯金を取り崩してばかり……。黒字化へ取り組むべき第一歩は?

毎月赤字で貯金を取り崩してばかり……。黒字化へ取り組むべき第一歩は?
家計が赤字に陥った場合、不足する金額を補うために貯金を取り崩す必要があります。特に赤字額が大きかったり赤字が日常的になってしまっていたりする場合は早急な対策が必要です。
 
家計の黒字化は、収入を増加し支出を減少させれば達成することができますが、そのためには収入増加と支出削減の方法をよく知る必要があります。
 
今回は家計を黒字化するために必要な対策について解説していきます。
菊原浩司

執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

http://conserve-investment.livedoor.biz/

家計の現状を把握しよう

家計を黒字化させるためには、赤字となっている理由と赤字額を把握する必要があり、そのためには家計簿をつけることが重要な手がかりとなります。また、家計の収支は突発的なライフイベントなどによっても影響を受けるので、家計簿の精度を高めるには、できるだけ長期間つけてこうした突発的な収支を反映させる必要があります。
 
現在は家計簿アプリなどで手軽に家計簿を作成できるため、以前よりも取り組みやすくなっていますが、家計簿のデータが蓄積するまで対策を打てないのでは家計がより悪化してしまう恐れがあります。
 
そこで家計を把握する簡易的な方法として、源泉徴収票と貯金残高から家計収支を計算するという方法があります。
 

【例:去年1年間の家計収支の方法】

去年の年初の貯金額 + 1年間の手取り収入額 - 年末の貯金額 = 1年間の家計収支

 

収入を増加させるには

家計収支が赤字の場合、とれる手段は「収入の増加」と「支出の削減」となりますが、収入は増えれば何でもいいというわけではなく、生活費に充当するという性質上、給与や利息・賃料収入といった金額や入金時期が比較的安定したものが望ましいといえます。
 
しかし、近年は低金利状態が続いており、資金計画に組み込めるほどの利息収入を得ることは難しく、また2ヶ所以上の事業者に雇われて給与収入を得てしまうと所得税の申告を年末調整では行うことができなくなってしまい、個別に確定申告を行うことが必要になります。
 
さらに、共働きにより収入を増やす場合も、年金保険や健康保険の扶養や所得税の配偶者控除などに配慮する必要があります。
 
このように収入を増やす方法については手段が限られている上、確定申告などの手続きの手間が増えてしまうといったデメリットもありますので、黒字化対策として選ぶ際は注意しましょう。
 

支出を減らすには、その内容を知ることが大切

次に支出を削減する場合はやみくもに節約を行うのではなく「支出金額の大きいもの」「他に代替の効くもの」「金額が小さくとも簡単に削減できるもの」を意識して節約を行うと効果的ですが、そのためには支出の内容・性質を知ることが重要となります。しかし、収入を増加させるのとは異なり、支出の削減には限界があり、例えば、固定費が大きい場合などには効果が薄いことがあります。
 

まとめ

家計の赤字が常態化してしまった場合、赤字の原因を探ることが黒字化の第一歩となります。そのためには家計簿をつけることが重要となりますが、家計簿の作成が難しかったり、家計の改善が差し迫っている状態となっていたりする場合は昨年の源泉徴収票と預貯金額の推移によって簡易的に不足額の規模を知ることができます。
 
家計の黒字化の手段として、収入の増加と支出の減少という2つの手段がありますが、いずれも多大な労力を伴うため、やみくもに行うのではなく必要な金額を把握した上で実施するようにしましょう。
 
また、どうしても個人で家計の黒字化を達成することが難しい場合、ファイナンシャルプランナーを利用して家計の見直しを一緒に検討することをおすすめします。
 
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表

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