更新日: 2021.08.26 働き方
正社員で副業をしている人の割合は? 月にどれくらい働いて、いくら稼いでる?
株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区)は、正社員の男女3万4824人に対し、副業に関する調査を実施し、結果を発表しました(※)ので、結果を見ていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
現在副業をしている正社員は9.3%。若い世代、年収が高い人で副業をしている人が多い
現在、副業を行っている正社員の割合は9.3%でした。2018年の調査では10.9%であったのが、1.6ポイント減少しています。
また、「現在はしていないが、過去にしたことがある」が9.5%でした。企業において副業の容認は進んでいても、実際に副業を行っている人の割合は増えておらず、過去にしたことはあってもやめてしまったという人もいるようです。
若い世代になるほど副業を行っており、本業の年収が1500万円以上で18.8%、2000万円以上では33.5%と年収が高い人で副業をしている人が多くなっています。
また、役職では部長以上で副業を行っている割合が高いです。高いスキルを持っている人は、スキルを活かして副業を行っている人が多いようです。
コロナ禍で本業の収入が減った人で副業を行っている割合は12.6%となり、本業で得ている収入が変わらないという人の7.8%より高くなりました。しかし、コロナ禍でも本業の年収が増えたという人が副業を行っている割合は15%と、収入が減った人より高くなっています。
最も副業者の割合が高い職種は「コンサルタント」で、29.8%が副業をしていると回答しました。他に、WEBデザイナーやプランナーなどの「Webクリエイティブ」(20.1%)、「人事・教育」(19.9%)、「経営・経営企画」(18.9%)、「幼稚園教諭・保育士」(18.2%)など、特定のスキルを持った人が多い結果となりました。
副業をしていない人で副業意向がある人は約4割。2020年以降副業を始めた人が増加
現在副業を行っていない正社員のうち、副業意向がある人は40.2%でした。本業の年収が低いほど副業を行いたいと思っている人の割合が高い傾向が見られ、年収200~400万円未満では45.1%と、最も副業意向が高くなっています。
一方、実際に副業を行っている人を見ると、年収1500万以上から急激に高くなっており、実態とのギャップがあるようです。
また、今副業をしていない人の中で、コロナ禍で本業の年収が減った正社員の52%が副業を行いたいと回答しており、年収が変わらない人や増えた人より多くなっています。
現在副業を行っている人に、最初に副業を始めた時期はいつか聞いたところ、厚生労働省のモデル就業規則改定以降の2018年以降に始めたという人が52.3%と半数以上でした。新型コロナ感染拡大の2020年で18.2%と前年より5ポイントも増加し、コロナ禍以降に副業を始めた人は25%となりました。コロナ禍による収入減や将来の不安などから副業を始めた人が増えたのではないかと推察できます。
正社員が行っている副業の1位は、YouTubeやブログなどの「WEBサイト運営」(12.6%)となっています。動画の投稿等で広告収入を得ている人が多いようです。
正社員が副業を行う理由で最も多い回答は「副収入(趣味に充てる資金)を得たいから」が70.4%で、次いで「現在の仕事での将来的な収入に不安があるから」(61.2%)、「生活するには本業の収入だけでは不十分だから」(59.8%)となり、2018年の順位と全く同じでした。
正社員が1ヶ月のうち副業にかけているのは9日。月収の中央値は4.1万円
正社員が副業にかけている日数は1ヶ月あたり9日で、労働時間は1ヶ月あたり29.5時間となりました。副業の月収の中央値は4.1万円であり、時給の中央値は1883円となっています。
副業によって何か本業へのプラス効果があるのかを聞いたところ、「視野が拡大した」(44.4%)と回答した人が最も多く、「新しいことを取り入れることに抵抗がなくなった」(37.8%)、「経験がないことにチャレンジする意欲が高まった」(37.1%)と、意識が変わった人が多いことがわかりました。
一方、副業によって本業に生じた問題・課題を聞いたところ、目立った答えは「過重労働となり、体調を崩した」(16.1%)、「過重労働となり、本業に支障をきたした」(14.1%)と、副業をする人にとって働き過ぎが大きな問題になっていることがうかがえます。
副業は収入が得られるうえ、視野が拡大するなどメリットも多いですが、過重労働が問題となっています。副業は、本業に支障が出ないレベルでうまく両立できるといいですね。
※株式会社パーソル総合研究所「副業に関する調査結果(個人編)」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部