更新日: 2021.06.29 働き方

出産後の働き方。いつから復帰して、どのように働く?

出産後の働き方。いつから復帰して、どのように働く?
女性のキャリアを考えるに当たり大きく関係することの1つに、出産後の働き方があります。出産後の働き方に正解はありませんが、だからこそ悩ましい部分でもあります。出産後はいつから復帰して、どのように働いていくのがよいのでしょうか。考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

産後復帰できるのはいつから? いつまで休める?

女性が出産後、職場に復帰できるのは労働基準法により最短でも6週間後となります。この期間は本人の希望により8週間まで伸ばすことができます。また、産休の8週間経過後も原則1年間は育休を取得することができ、保育所に入れないなどの場合はさらに半年(合計で1年半)育休を取得することができます。
 

産休中・育休中の給料や社会保険料は?

基本的に産休・育休中は雇用主に賃金の支払いが義務化されておらず、多くの中小企業では無給とされているのが現状です。
 
しかしながら、その分雇用保険や健康保険、厚生年金の保険料が発生しなかったり、免除などの優遇がなされています。また、無給の場合、健康保険から出産手当金が支給されたり、雇用保険から育児休業給付が支給されます。
 
産休中と育休中の諸手当などについて下記にまとめました。参考にしてください。
 

    

産休・育休中の諸手当などのまとめ
産休 育休
賃金の支給 義務ではない 義務ではない
社会保険料 手続きをすることで免除 手続きをすることで免除
雇用保険料 無給の場合発生しない 無給の場合発生しない
もらえる給付 出産手当金
※健康保険より、出産日以前42日から出産日後56日までの間、休業1日につき賃金の3分の2相当額
育児休業給付
※雇用保険より下記のとおり支給
●180日目までは休業開始前の賃金の67%
●それ以降は、50%

※東京労働局 【 産休と育休(お金のこと)】より筆者作成
 

出産後はいつから復帰するのがいい?

先に見たとおり、満額ではありませんが産休中と育休中も休業開始前の賃金を基準に、一定額の給付が健康保険や雇用保険から支給されます。そのため、キャリア志向でない場合や金銭的に厳しい状況でない限り、子育ての負担を考慮し期間いっぱい休業するのも良いでしょう。
 
逆にキャリアを重視していたり、少しでも働いて貯蓄など将来に備えたいというのであれば、体調や子どもに影響のない範囲でできる限り早期に復帰するべきです。
 

出産後の働き方は?

出産後の働き方は、大きく分けてフルタイム勤務と一定時間のみ働くパートタイム勤務とがあります。当然フルタイムで働けばその分収入が増えますが、自分の時間を確保したり、家事や子育ての負担を軽くするために支出が増えることもあります。
 
具体的には、子どもの保育料や時短のための最新家電の導入、外食や宅配サービスの利用頻度が増えるなどの支出増加が予想されます。
 
一方で、パートタイムで負担の少ない時間だけ働くという方法であれば、収入が大きく増えることはないものの、支出が急激に増えることもなく、手元に残る割合は高くなります。
 
雇用形態には正規雇用である正社員と非正規雇用のパートなどがありますが、基本的に将来のキャリアを重視するなら正社員、柔軟な働き方を希望するのであればパートといった具合で決めていくとよいでしょう。
 
少し変わった視点としては、子どものことに注力したいというのであれば、いっそ子どもの手が離れるまでは専業主婦に徹するというのも悪くない選択です。
 

出産後の働き方は考え方次第

出産後の働き方に明確な回答は存在せず、自身の考え方や家計の状況によってよく考えて判断することが重要になります。
 
この点は自身一人で考えるだけでなく、家庭内での話し合いや親や祖父母へ相談をすることをおすすめします。そうすることで視野が広がり、自身と家族、そして子どもにとって良い選択が見つかることでしょう。
 
出典
東京労働局 【産休と育休(まとめ)】
東京労働局 【産休と育休(お金のこと)】
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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